ブリキの方舟 の商品レビュー
かっこよくて、温かい本。 真面目な「振り」をする あくまでも「振り」なんです。本当に真面目なのはつまんないでしょ。真面目にやってる人ってマニュアル通りにやっちゃうから。 アートは人に笑われてこそ 捕まえに来たお巡りさんが笑わぐらいバカバカしいことをやらなかったら、それはアー...
かっこよくて、温かい本。 真面目な「振り」をする あくまでも「振り」なんです。本当に真面目なのはつまんないでしょ。真面目にやってる人ってマニュアル通りにやっちゃうから。 アートは人に笑われてこそ 捕まえに来たお巡りさんが笑わぐらいバカバカしいことをやらなかったら、それはアートじゃない。 政治力の使い方 そういう風に相手の立場を見定めて、組織の力を使い分ける。それが政治力だと思うんです。 人を動かす必要なんてないですよ。感動とかどうでもいいんだ。良い悪いは、あんたが判断してくれ、っていう。 笑われる側に立つ 自分の中で徐々に、笑いが何かをごまかす手段になっちゃってました。袋小路っていうか、笑いがあんまり好きじゃなくなって来たんです。それでこれまで笑う側だったのを思い切って笑われる側に立ってやろうと思ったんですよね。 明るい終末 要するにもう、素晴らしい未来像を思い描く力がないですよね。仮にちゃんと想像力が働いたとしてもそれを社会レベルまで高めることができない。つまり個人の趣味とかそういう範囲でしか、夢を思い描くことが出来ない。例えは非合法な話として、人を殺したいとか、ハーレムを持ちたいとか、個人的な欲望はあるにせよ、社会全体にとって素晴らしい未来像を夢見るっていうことは、もう無理なんだなって気がしたんです。バブルのせいでね。 だから、僕たちはこのままだときっと変われなくて、いつか急カーブをきる羽目になって、それで振り落とされて大変な目に遭うと思う。そうなっちゃったら自分たちを滅ぼしたものに帰依して、その力にすがっちゃうのかな、そういう暴力的な再生しかないのかな、っていう一種の諦めでした。 ためらいを踏み越える その時は意味がわからなかったんだけど、「そうか、人はそこでためらうのか」っていうのが最近やっとわかるようになった。 いま、何を笑うべきか ここ数年ほど何を笑うべきかわからなくなったんです。 やっぱり自分をバカにされたりすると、みんな見たくないものね。 「ブリキの方舟」は水に浮かないかもしれない。ましてや人を乗せる事はできないだろう。それは、まったく実用的ではない代物だ。けれども、それは、とりあえず私たちに残された、数少ない選択肢なのではないか。それは、生き延びるための技術であり、「敗戦後」の芸術とは何かという問題と結びついている。
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