宮本常一 旅の手帖 の商品レビュー

宮本常一【著】

2014/04/11

瀬戸大橋着工まえの塩飽諸島の辺りがメインの民俗記。戦後の高度経済成長と架橋による土地の買収、分断によって大きな貨幣経済の波を被る直前の島々の様子を記す。
かくも山村漁村の習慣風習文化はデリケートである。
歴史は破壊と創造の繰り返しと動揺なく言い切れる強者の論理だけに与するのではなく、ひっそり佇む儚い文化にも、上から目線ではない寄り添う目を持っていたいと思う。