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ぼくが前を向いて歩く理由 の商品レビュー

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3件のお客様レビュー

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2020/03/15

中村さんは、2006年スーパーでカップ麺とチョコレートを万引きしたとして現行犯逮捕され、2週間後に茅ヶ崎市を懲戒免職された。 それは若年認知症(ピック病)の症状によるものだった。 職を失い、報道発表により社会的信用も失う中、若年認知症と診断される。 認知症と共に生きる本人と...

中村さんは、2006年スーパーでカップ麺とチョコレートを万引きしたとして現行犯逮捕され、2週間後に茅ヶ崎市を懲戒免職された。 それは若年認知症(ピック病)の症状によるものだった。 職を失い、報道発表により社会的信用も失う中、若年認知症と診断される。 認知症と共に生きる本人とそれを支える介護者としての妻、そこに事件の重みがのしかかる。その苦労は他人には計り知れない。妻もやがてうつ症状が出てきて、夜眠れなくなる。 病を理解することで不可解な事象を理解できるようになる。 でも、理解していても、感情的な部分は簡単に対応できるわけではない。 周囲の理解、優しさに助けられる部分が印象に残った。 助けてもらえるところは、助けてもらうように働きかけるのが大事だと思う。 一般的な常識外のことをする不特定多数の場に出られないなど、制限が起こること。それを気にし続ける家族の緊張感。 気にされることで、自尊心が傷つけられる本人、いつも監視さえれているというストレスも感じ続ける。 このような内容をそのまま記載している本書は、同じ障害を持つ方々への大きな助けになると思う。 障害や重い病気、犯罪を犯した家族など、心に大きな傷を持つ方々に、患者の会などの存在が大きい。 この本はそのような方々の心を軽くするのに役立つのではないだろうか。

Posted byブクログ

2014/12/05

中村さんは市役所につとめていた50代なかばのある日、 突然万引きでつかまった。 公務員の犯罪としてメディアにとりあげられ、職を失ったが、 その後前頭側頭型認知症と診断された。 これはその中村さんご本人を著者とした本であるが おそらく裏方に徹しているライターさんの腕がよい。 中村...

中村さんは市役所につとめていた50代なかばのある日、 突然万引きでつかまった。 公務員の犯罪としてメディアにとりあげられ、職を失ったが、 その後前頭側頭型認知症と診断された。 これはその中村さんご本人を著者とした本であるが おそらく裏方に徹しているライターさんの腕がよい。 中村さんの話、奥さんの話、医師の話、 そして前頭側頭型認知症についての説明、 早期発見のポイントなどをとりまぜながら、 実によくまとまっている。 こうした本が広く読まれて 前頭側頭型認知症のことがもっともっと 一般に知られるようになるといいなあ、と思う。 そして本の中身とは別にひとつ気になったこと。 中村さんは診断後、アリセプトを処方されており その後、かなり強い易怒性がみられるようになる。 このふたつのことの関連性について 本文中ではなにも触れられていないが これはアリセプトの副作用ではないだろうか。 ピックにアリセプトは禁忌。 そのことだけでも医療関係者のなかで周知していただけないものか。 そういう情報がもう何年も前から 臨床の現場からあがってきているのだから。 <目次> 序にかえて 第1章発端  事件/違和感/急展開 第2章診断  注目されつつある前頭側頭型認知症/発症は潜在的に/早期発見のポイント 第3章混乱  次第に現れてくる症状/前頭側頭型認知症の症状 第4章支援  深刻な処分/のしかかる経済的不安/広がる支援の輪 第5章葛藤  複雑な思い/サービスを利用/息がつまる関係 第6章再生  働く場を求めて/病と付き合う生活の工夫/環境を整える/ここを理想郷に あとがき  暗闇から大きな希望ヘ

Posted byブクログ

2012/11/07

今の中村さんからは感じられない過去を本によって知らされた。だからこそ病気になっても前向きに生きて行く事が出来ると教えられるし勇気を与えて貰える。病状は人それぞれだし、困難が多いとは思うが、出来る事を探す、やってみるのは怖がらなくていい。

Posted byブクログ