杉山平一詩集 希望 の商品レビュー
詩集『希望』(杉山平一作:編集工房ノア)、詩は苦手と言う人に読んで欲しい、懐かしい何かが全部の詩から香ってくるよ、97歳の詩集★5。
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これぞライトヴァース! 「町のなかにポケット/たくさんある//建物の黒い影/横丁の路地奥//そこへ手を突込むと/手にふれてくる//なつかしいもの/忘れていたもの」(ポケット) ー 「その日 ぼんやり/広場を横切っていた//そのとき とつぜん/ドサッと女の子が落ちてきた/すべり台か...
これぞライトヴァース! 「町のなかにポケット/たくさんある//建物の黒い影/横丁の路地奥//そこへ手を突込むと/手にふれてくる//なつかしいもの/忘れていたもの」(ポケット) ー 「その日 ぼんやり/広場を横切っていた//そのとき とつぜん/ドサッと女の子が落ちてきた/すべり台から//女の子は恥ずかしそうに私を見上げて/微笑んでみせた//きょうは何かよいことが/ありそうだ」(天女) ー 「カメラを向けると/口を閉じて/髪に手をやり/とり澄ます//心を文字にしようとすると/飾ったり誇張したりする//本当の顔よ心よ/恥ずかしがらずに/出ておいで」(出ておいで)ー「太陽が くまなく夜を洗い/ながしてくれたのに/ポケットのなかや/引出しのなかに残る/かなしみ」(かなしみ)
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