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カント哲学の射程 啓蒙・平和・共生 の商品レビュー

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2013/06/05

従来なおざりにされてきた「根源的獲得」や「ミスティシズム」、さらには有名な「ア・プリオリ」といった概念がどのような由来を持ち、カント以前にはどのような意味で使われ、それをカントがどのように理解して用いているか、といういわば概念史的な研究手法を使った論文が多く収録されている。また、...

従来なおざりにされてきた「根源的獲得」や「ミスティシズム」、さらには有名な「ア・プリオリ」といった概念がどのような由来を持ち、カント以前にはどのような意味で使われ、それをカントがどのように理解して用いているか、といういわば概念史的な研究手法を使った論文が多く収録されている。また、「啓蒙」と「平和」というカント実践哲学の鍵となるテーマについて、当時の東欧、特にポーランド情勢の再検討からその意味するところの解明を試みたり、レトリック史の伝統からカントの『判断力批判』の議論の整理を試みるなど、非常に興味深いテーマが論じられている。

Posted byブクログ