マリリン・モンローとともに の商品レビュー
リー・ストラスバーグという偉大な演技コーチの下で姉妹のようにして過ごした著者の目から見たマリリンの姿が半分・自叙伝が半分で、通奏低音のように女優が(あるいは女性全般が)男あるいは男社会に敬意をもって扱われるということがいかに難しくまた稀かというモチーフが見える。 家庭的にまった...
リー・ストラスバーグという偉大な演技コーチの下で姉妹のようにして過ごした著者の目から見たマリリンの姿が半分・自叙伝が半分で、通奏低音のように女優が(あるいは女性全般が)男あるいは男社会に敬意をもって扱われるということがいかに難しくまた稀かというモチーフが見える。 家庭的にまったく恵まれなかったマリリンと、恵まれすぎていたともいえる著者とが対照的なようで一枚のコインの裏表のよう。 多くの名声を博した俳優たちの肖像は概して厳しいタッチで描かれ、自らの人間性を曝け出さざるをえない職業に不可避のエゴイズムがありありとわかる。 原典にある多くの詩などの引用を、山田宏一の訳はすでにある日本語訳をいちいちどの本の誰の訳か明記して引用してあるのが良心的。
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