息のブランコ の商品レビュー
ソ連に強制連行された、ルーマニア人が主人公。 経験者への調査をもとにしている。 悲劇的ではなく、暗さのなかで淡々とラーゲリ(収容所)の日常が語られていく。 独特な表現に、妙に惹きつけられる。 名付けられた小物たち、繰り返される言葉遊びには変に愛着も感じてきてしまう。 灰色のイメー...
ソ連に強制連行された、ルーマニア人が主人公。 経験者への調査をもとにしている。 悲劇的ではなく、暗さのなかで淡々とラーゲリ(収容所)の日常が語られていく。 独特な表現に、妙に惹きつけられる。 名付けられた小物たち、繰り返される言葉遊びには変に愛着も感じてきてしまう。 灰色のイメージを残す世界のなかで、それこそ、すべてが「芸術的」だ。 原書で読んでみたくなる。 最後の章、最後の数ページ、「宝物について」で、リズム感が変わった。何かが静かに押し寄せて来る気がした。 またここをいつか読みかえさなくては、と思うような、不思議な感覚を残すラストだった。 歴史の一片としても、文学としても、深い作品。
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2009年ノーベル文学賞受賞。 wikipedia → http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%BC ヘルタ・ミュラー(H...
2009年ノーベル文学賞受賞。 wikipedia → http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%BC ヘルタ・ミュラー(Herta Müller、1953年8月17日 - )は、ルーマニア出身のドイツ語作家。チャウシェスク政権下のルーマニアにおける困難な生活や、バナート地区のドイツ人の歴史、ソ連占領下ルーマニアのドイツ系民族迫害などを主題にした作品で知られる。
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