吸血鬼と精神分析 の商品レビュー
待ちに待ってた矢吹駆シリーズ六作目。相変わらず分厚い……ミステリーとは離れた哲学・神学的パートの方が多く、これまで読んできた中で一番、途中目が滑るまま読み進めてしまった。それでもお話の動きが青銅の悲劇の時よりも好みで(青銅の悲劇が個人的に非常にアレだったので、その後出てきたこの作...
待ちに待ってた矢吹駆シリーズ六作目。相変わらず分厚い……ミステリーとは離れた哲学・神学的パートの方が多く、これまで読んできた中で一番、途中目が滑るまま読み進めてしまった。それでもお話の動きが青銅の悲劇の時よりも好みで(青銅の悲劇が個人的に非常にアレだったので、その後出てきたこの作品が大丈夫なのか実は不安だった)、一気読み出来る面白さがあって良かったなと。なので★は4つくらいで。 最後にきた「!?」となる仕掛けがあまりに不意打ちだったのだけど、小説だしな……と思いつつなんとか飲み込んだ。あと相変わらず、駆と一緒の時のナディアは可愛く思えて癒しだった。 既に連載は終わっているという次の「煉獄の時」の単行本化が楽しみです。
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哲学の装飾を剥ぎ取ってもミステリとして良作であるのが作者の持ち味だったはずだが、本作はミステリの筋はやや平凡、前々作あたりからかもしれない。 そろそろ、装飾の方が自分の専門から外れてきているようなので、あまり無理をしないでミステリの本筋のほうに力を入れてはもらえまいか。6.5
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矢吹駆シリーズ第6作。これまでの作品と同様に非現実的な状況の中での事件を、一つひとつ論理を積み重ねて謎を解き明かしていく。そこがこのシリーズの醍醐味。今回は精神分析がテーマだが、この1冊を読んだだけでも心理学のテキストを何冊も読んだ気になるほどの知識量。相変わらずペダンティックな...
矢吹駆シリーズ第6作。これまでの作品と同様に非現実的な状況の中での事件を、一つひとつ論理を積み重ねて謎を解き明かしていく。そこがこのシリーズの醍醐味。今回は精神分析がテーマだが、この1冊を読んだだけでも心理学のテキストを何冊も読んだ気になるほどの知識量。相変わらずペダンティックな部分のたまらない。
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疲れた〜。 なんとか読み終えたけど、あまりに疲れてしまって、面白かったのか面白くなかったのかさえも分からない。 とはいえ、最後まで読んだって事は面白かったってことですよね。 シリーズ物だってことに読み始めて気付いたのだけれど、初めてでもこの作品単体で読めました。もちろんシリー...
疲れた〜。 なんとか読み終えたけど、あまりに疲れてしまって、面白かったのか面白くなかったのかさえも分からない。 とはいえ、最後まで読んだって事は面白かったってことですよね。 シリーズ物だってことに読み始めて気付いたのだけれど、初めてでもこの作品単体で読めました。もちろんシリーズを順番に読んでいた方が楽しめるのは間違いないでしょう。 とにかくもういろんな知識が詰め込まれていて、わけが分からんなぁとなりつつも、知的好奇心はいたく刺激されました。
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久々の新作。 ムーミンはカバというネタは日本だけのネタだとてっきり思っていた。 内容は哲学の話がありますが、今回は精神療法の話がメインでした。 大学で精神科の歴史や精神療法を少し勉強していたので、今回はそこまで混乱はしませんでした。相変わらず難しかったのですが。
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矢吹駆シリーズ。またしてもとんでもないボリュームで、とんでもない薀蓄の数々が。読み終えたときの充実感は圧倒的でした。 「ヴァンピール」による連続殺人と、ルーマニアからの亡命者に関わる心理分析。一見無関係な事件に共通するある事柄。犯人と、その動機。魅力的な要素がいっぱいです。神学や...
矢吹駆シリーズ。またしてもとんでもないボリュームで、とんでもない薀蓄の数々が。読み終えたときの充実感は圧倒的でした。 「ヴァンピール」による連続殺人と、ルーマニアからの亡命者に関わる心理分析。一見無関係な事件に共通するある事柄。犯人と、その動機。魅力的な要素がいっぱいです。神学や心理学を巡る論議も盛りだくさん。とても勉強した気になりました。 ひとつきりではない事件の解決は、ラストに至ってもなかなか気が抜けず。さらに宿敵イリイチの暗躍にも目が離せません。終盤では読む手が止まらず、一気読み必至。 だけど一番衝撃的だったのは。ムーミンがカバではないと知ったことでした(笑)。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
矢吹駆シリーズ ルーマニアから亡命してきた将軍チモチュフェ中将の殺害事件。現場に残された「D・R・A・C」の文字。捜査に当たるモガール警視。同時に起きる「ヴァンピール」事件。被害者の女性は身体の血を抜かれての死。「ミノア島」事件の後遺症により精神科医の治療を受けるナディア。ルーマニアからの亡命者で元体操選手タチアナ。タチアナとともに亡命したコーチ・ルブリョ氏。チモチェフ殺害の影にあらわれるルーマニアの諜報部隊とニコライ・イリイチ・モルチャノフ。 2011年11月6日読了
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何年も何年も待ち続けた作品。 読了すると、たった800ページしかないのか…と切なくなる。 今回の思想対決は、いつもより難しく思えた。所々ただ文章を読んだだけという箇所が結構あった。 難しいのはいつもだけと、再読しながら少しずつ理解していくのがこのシリーズの常なので、難しいのも...
何年も何年も待ち続けた作品。 読了すると、たった800ページしかないのか…と切なくなる。 今回の思想対決は、いつもより難しく思えた。所々ただ文章を読んだだけという箇所が結構あった。 難しいのはいつもだけと、再読しながら少しずつ理解していくのがこのシリーズの常なので、難しいのもまた味だ。 今回、一番面白かったのは、第六章“否定の神学”かな。 カケルの“男の現象学的意味と女の本質”の話はとても面白い。 前にも出てきた『むきあい』『ならびみ』『わたしみ』の話は、前回よりも、今回の方が上手く話に乗っかってて、わかりやすかった。 “男も女もない、存在するのは母と子だけだ” この章の後半、カケルとルブリョフの否定神学の話から、『サマー・アポカリプス』のシモーヌの思想が重みを増したのも興味深かった。 “神は存在しないと思いながら神に祈らなければならない” シリーズを読み進めて行くと、前の作品を更に深く読めるようになる。だからまた最初から読みたくなる。読む度に、新しい発見がある。 だからこのシリーズはやみつきになる。このシリーズを愛してやまない理由はここにある。 ま、最後に、バートリ・エルジェベト出てきちゃって、『あれ?』って思ったのは確かなんだけど(笑)
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パリの町で週末ごとに起こる連続殺人事件。全身の血を抜かれた女性の死体、犠牲書の体に残された謎の文字の意味するものは……。 相変わらず、濃厚で難解ですなぁ。事件そのものよりもラカンやクリステヴァをモデルとしたキャラクターとの思想的対決にページが割かれるいつもの笠井潔節に頭がクラクラ...
パリの町で週末ごとに起こる連続殺人事件。全身の血を抜かれた女性の死体、犠牲書の体に残された謎の文字の意味するものは……。 相変わらず、濃厚で難解ですなぁ。事件そのものよりもラカンやクリステヴァをモデルとしたキャラクターとの思想的対決にページが割かれるいつもの笠井潔節に頭がクラクラする。これはこれで愉しいんだけどね。 謎解きとしてはロジカルなガチガチの本格。特に血を抜かれた死体や死体に添えられた徴の多義性に関する論考には唸らされる。 面白かったけど、800ページ超はさすがにちょと疲れたかな。
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