宇宙で最初の星はどうやって生まれたのか の商品レビュー

吉田直紀【著】

2012/08/23

数学なんて忘れちゃったよ物理なにそれおいしいのというレベルでも興味深く読めた宇宙の本。
逆に言えばそれなりに知識のある人には当然のことしか書いてないかも。

「太陽は星である」という発見がすごいことであるというのは言われてみればなるほどすごい。
知っているから太陽が星なのは当然だと思っているけれど、日常の感覚としては月でさえ星とは別物あつかいしている。
「月と星」って表現するし。
ましてお天道様なんて夜に見えるきらきらしたあれと同じとは中々思わない。

前半の、通説をわかりやすく書いてくれる部分は興味深かった。
後半にはいるとやや自意識が鼻についてくる。
自分の研究してきたことを書くとか、わからないことをわからないというのは当然なんだけど、そういうのとも違うような・・・
自分がどう見られるかを気にしてイメージをコントロールしようとするかのような、こちらをうかがう書き方に鼻白んでしまった。

まあ面白いんだけど。

とってつけたような東日本大震災の話題に、執筆時の空気の怖さを感じる。
なにがなんでもなんか言わなきゃみたいな感じだったけど、あえて書かなくても良かったのにな。