スノーボール・アース の商品レビュー
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はるか昔、地球は全面的に凍結していて、氷が溶けたカンブリア時代に生命大爆発が起こったっていう仮説の成り立ちをなぞる本。荒唐無稽とも思われる仮説を信じて一つ一つ泥臭い作業を積み重ねて学会をひっくり返す情熱たるやすごいのです。
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縞々学の川上伸一氏が監修である。 原著は Gabriellle Walker SNOWBALL EARTH 2003 先カンブリア紀の地球は何度か氷の覆われていたという説。 スノーボール・アース説は、以前もちらりと聞いていたが、 本書を読むと、かなり、いろんなデータによる検証が行われている。 単なるお話かと思っていたら、かなり有力な説になっているようだ。
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"最高におもしろかった本。 今私たちは、ガリレオがまさに地動説を唱えた時のように、スノーボール・アース説が提唱された時を生きている。 今まで常識として教えられていたこと、事実だと信じていた事柄が、実は違っていたかもしれないというのだ。 地球の全てが氷に覆われていた時期が...
"最高におもしろかった本。 今私たちは、ガリレオがまさに地動説を唱えた時のように、スノーボール・アース説が提唱された時を生きている。 今まで常識として教えられていたこと、事実だと信じていた事柄が、実は違っていたかもしれないというのだ。 地球の全てが氷に覆われていた時期が複数回あったかもしれないという説。 今の常識では、地球は氷河期という時期はあったが、今とさほど変わらない気候がしばらく続いてきたといわれている。ところが、そうではなく、実は地球は過去に数回全てが氷で覆われたときがあったというのだ。地質学、気象学、生物学、進化論など多くの分野を巻き込んで、地球は氷に覆われていた時期があったかもしれないという仮説を唱える学者が複数人いる。 氷河期なんてレベルではなく、赤道近辺含めて気球すべてが氷に覆われていたというのだ。しかも、その変化がきっかけで複雑な構造をした生物が誕生したかもしれないとまで言われている。 この本では、地質学者の日常が語られる。退屈な日常とは感じられないエキサイティングな光景が目に浮かぶのは、筆者の力量だ。小説のような物語を読むように、どんどん引き込まれる。 今後も本書に登場する学者の発表する論文を追っていきたい。NHK特集とかでもやっているかなぁ?"
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非常に面白い。科学者の辿った人生を臨場感のある文章で描いている。引き込まれた。 野外巡検はタフで健康な人に向いている。あと好奇心のある人。
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■『スノーボール・アース: 生命大進化をもたらした全地球凍結』読了★4.5(5点満点) 地質学・古生物学モノ5冊目。 この30年ぐらいまさに今も議論が続いている赤道まで含めた全地球凍結したという「スノーボールアース仮説」の本。 新たな発見、大胆な発想、地質学者の激しい議論の応酬な...
■『スノーボール・アース: 生命大進化をもたらした全地球凍結』読了★4.5(5点満点) 地質学・古生物学モノ5冊目。 この30年ぐらいまさに今も議論が続いている赤道まで含めた全地球凍結したという「スノーボールアース仮説」の本。 新たな発見、大胆な発想、地質学者の激しい議論の応酬など、「地質学」に対する静的なイメージが覆る一冊。 地球の歴史がにかなり詳しくなってきた。マーケターだけどねw
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約7億年前の地球に表面全体が凍結するほどの氷河時代があったとする「全地球凍結仮説」を、学界の中心舞台に引きずり出した地質学者たちの記録を記したノンフィクション。 本仮説が現れるまでは、地球が凍結するほどの氷河期は過去になかったと考えられていたが、その理由は、仮に地球全体が凍結する...
約7億年前の地球に表面全体が凍結するほどの氷河時代があったとする「全地球凍結仮説」を、学界の中心舞台に引きずり出した地質学者たちの記録を記したノンフィクション。 本仮説が現れるまでは、地球が凍結するほどの氷河期は過去になかったと考えられていたが、その理由は、仮に地球全体が凍結するようなことがあったら、凍結した地表が太陽光の大半を反射してしまい、二度と溶けることはないと考えられたことと、約40億年前に誕生した地球生命が、現在まで生き延びられるはずはないと考えられたことであった。 しかし、登場する地質学者たちは、カナダ北極圏、スバールバル諸島、ナミビア、南オーストラリア、ロシアなどで、過酷な気候や蚊、クマ、ゾウ、毒ヘビなどの脅威と戦いながら、仮説と証拠を積み上げ、それまでの常識に風穴を開けていく。 その結果、現在では、全地球凍結こそが原生生物の大量絶滅とそれに続く跳躍的な生物進化をもたらしたと考えられているという。 「全地球凍結仮説」の解説書としてよりも、それまでの常識を覆す科学的革命に一生をかける研究者たちのサイエンス・ドキュメンタリーとして、楽しめる一冊である。 (2012年1月了)
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「カオシデ石に三ジュ白」(カンブリア、オルドビス、シルル、デボン、石炭、二畳、ジュラ、白亜)地質年代をこのようにして覚えた学生時代。そのカンブリア紀よりも前の現在から約7億年前、地球は前面凍結していただと? しかもそのおかげでカンブリア紀の生命大爆発が引き起こされたというではない...
「カオシデ石に三ジュ白」(カンブリア、オルドビス、シルル、デボン、石炭、二畳、ジュラ、白亜)地質年代をこのようにして覚えた学生時代。そのカンブリア紀よりも前の現在から約7億年前、地球は前面凍結していただと? しかもそのおかげでカンブリア紀の生命大爆発が引き起こされたというではないか。 どうやら新しい仮説らしいが、それを解明する事実がいろいろと見つかっているそうだ。 そして今から2億五千万年後、再び大陸はパンゲアとなり地球は凍結するという予測。 それまで人類は生き延びているのか、疑問ではある。
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大陸移動説や恐竜の絶滅等を絡めて、新しい説が誕生するまでを描いている。 日の目を見なかった先人の研究や、常識に捕われずに孤軍奮闘する天才の活躍など、読んでいて面白かった。 もうちょっと文章を練って欲しかった箇所がいくつかあったのが、勿体無く感じた。
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マラソンのモノローグで始まるプロローグを読んでわかるように、これは太古の昔、地球全土が氷に包まれた時代が存在したというスノーボール・アース仮説を詳細に解説する『スノーボール・アース仮説の科学』ではなく、偏屈な地質学者ポール・ホフマンがいかにしてこの仮説に辿り着き、誰の反証とどう戦...
マラソンのモノローグで始まるプロローグを読んでわかるように、これは太古の昔、地球全土が氷に包まれた時代が存在したというスノーボール・アース仮説を詳細に解説する『スノーボール・アース仮説の科学』ではなく、偏屈な地質学者ポール・ホフマンがいかにしてこの仮説に辿り着き、誰の反証とどう戦ったのかを語る『スノーボール・アース仮説の歴史』本。もちろん科学的な解説がないわけではないが、地質の解説ながら一枚の写真も図もなく、キャップ炭酸塩岩や縞状鉄鉱床などと言われてもイメージが出来ず、理解し難い。そういうところを抜きにして読めば、現代の地質学者の生態を伺い知ることが出来る。大陸移動説を唱えたウェーゲナーを崇め、カナダ北極圏、スバールバル諸島、ナミビア、南オーストラリア、ロシアなどの極地で、蚊、クマ、ゾウ、毒蛇などの野生動物の危険と戦いながら広大な荒野にほんの少しだけ現れる地層を探し求めて地図を書き、岩を掘り、持ち帰っては炭素同位体の含有率やウランと鉛の混合率から時代を測定し、磁気の向きからかつての居場所を推定する。地質学者に限ったわけではないが、現代の科学というものは、そうした僅かな証拠のために人生を捧げる人達の結晶であることを改めて思い知らされる。 そんな情熱あふれる人達の中でも、新たなパラダイムを築く領域まで辿り着ける人はやはり際立っている。スノーボール・アース仮説に辿り着く前、三十年間北極圏でフィールドワークを続けた功績からハーバード大学の専任教授として数えきれないほどの賞を受賞し、既に世界レベルの科学者であったポール・ホフマンは、どのような功績で人々の記憶に名をとどめたいかというインタビューに、ためらわずこう答えた。「まだ自分が成し遂げていないことだ。」
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全地球が凍結していた。 石を採取してそれを分析する。 その分析方法や見方、仮説を裏付ける全く違う分野の発見など。 人類が存在する以前の地球の姿を 追求する科学者たちの話。
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