ぼくたちが見た世界 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
ニューヨークの自閉症児の学校に通っていた著者が、かつてのクラスメイトたちを訪問し、それぞれのその後をレポートする。男女4人と、その学校の先生2人。コンピューターのエンジニア・政治家などの演説の下書きをするスピーチライター・自転車のメッセンジャーとなった旧友たち。そして、うつ病になり、自殺してしまった女の子の両親。 社会に適応できるように自分の障害をどう克服していったか、著者・カムラン自身の体験も交え、自閉症と言う病気の特殊性とそれに対する社会の偏見を、静かに語ります。 自閉症の本人たちも様々な苦労をして大人になっていっているわけだけれど、周りにいる家族たちの努力もまた大変なものであると想像できる。そして、カムラン達が通った学校の先生たちも素晴らしい人たちだった。 軽々しく書けない何かを感じた。
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美しい小説を読んだような読後感。自閉症児クラスで学んだ旧友を訪ねた旅の記録であり、自閉症へのステレオタイプな見方をくつがえすために書かれた本だけれど、ていねいな観察にもとづいた人物描写としっかりした構成で、とにかく読んでいて楽しい(苦いエピソードもたくさんあるけれど)。旧友を訪ね...
美しい小説を読んだような読後感。自閉症児クラスで学んだ旧友を訪ねた旅の記録であり、自閉症へのステレオタイプな見方をくつがえすために書かれた本だけれど、ていねいな観察にもとづいた人物描写としっかりした構成で、とにかく読んでいて楽しい(苦いエピソードもたくさんあるけれど)。旧友を訪ねる旅の記録として、個人的に米原万里『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』、菅野ぱんだ『1/41』と並ぶ、心に残り続ける本になりそう。
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