ユダヤ人国家 新装版 の商品レビュー

5

2件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    0

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2016/04/17

かつて、テオドール・ヘルツルは、ユダヤ人の国歌としてパレスチナかアルゼンチンのいずれかを選ぶべきだろうと提案していた。アルゼンチンは地球上で最も自然に恵まれた国の1つであり、広大な平野を有し、人口が希薄であり、穏やかな気候に恵まれている。アルゼンチンはユダヤ人に領土の一部を割譲す...

かつて、テオドール・ヘルツルは、ユダヤ人の国歌としてパレスチナかアルゼンチンのいずれかを選ぶべきだろうと提案していた。アルゼンチンは地球上で最も自然に恵まれた国の1つであり、広大な平野を有し、人口が希薄であり、穏やかな気候に恵まれている。アルゼンチンはユダヤ人に領土の一部を割譲することに大きな関心を示すだろうとヘルツルは指摘した。ただユダヤ人たちの眞藤は、むろんその地に嫌悪感を生み出した。アルゼンチンの人々に対して、新しいユダヤ人たちの大移動は本質的にこれまでと異なる説明をしなければならないとも指摘していた

Posted byブクログ

2016/03/21

[我らが家の模索]ユダヤ人問題の解決のために国家を創設することを提言した「ユダヤ人問題の原題的解決の試み」など、全8編の作品を収録した一冊。いずれの作品も、近代シオニズムとその代表的思想家を考える上で計り知れない重要性を有しています。著者は、将来のユダヤ人のための国家を描く長編小...

[我らが家の模索]ユダヤ人問題の解決のために国家を創設することを提言した「ユダヤ人問題の原題的解決の試み」など、全8編の作品を収録した一冊。いずれの作品も、近代シオニズムとその代表的思想家を考える上で計り知れない重要性を有しています。著者は、将来のユダヤ人のための国家を描く長編小説『古く新しい国』などでも知られるテオドール・ヘルツル。訳者は、オーストリア文学を専攻とし京都大学の名誉教授などを務められた佐藤康彦。 一般的に巷間で言われているシオニズムという言葉の響きと、ヘルツルの考えた国家像の間にかなりの開きがあることが読み取れます。多言語を公用語とすることや社会主義的な思想に影響を受けたと思われる7時間労働性など、ヘルツルの考える新国家がどのようなものであったかを知る上で、実に有益な一冊ではないでしょうか。 収録されている全8編をとおして感じられるのは、ユダヤ人による欧州キリスト教社会への同化が不可能なことに対する、ヘルツルの絶対的な確信。特にフランスで起きたドレフュス事件についての記事では彼の筆が辛辣と絶望を極めており、当時のユダヤ人社会のインテリ層がどのようにこの事件を受け止めていたかがわかる一例ではないでしょうか。 〜 我々は一つの民族、同一の民族なのだ。〜 訳者あとがきにも考えさせられました☆5つ

Posted byブクログ