すれちがうとき聴いた歌 の商品レビュー
寂しさがまとわりついて来て、ちょっと心が不安定になりそうで、でも人の温もりをまた求めてみようかとも思えるような不思議な一冊。 著者の短歌ほど、エネルギーに溢れていなかったので、優しくゆるい気持ちで読めた。 言葉にするのは難しいけれど、心にダイレクトに効いて、しつこく心に残り続ける...
寂しさがまとわりついて来て、ちょっと心が不安定になりそうで、でも人の温もりをまた求めてみようかとも思えるような不思議な一冊。 著者の短歌ほど、エネルギーに溢れていなかったので、優しくゆるい気持ちで読めた。 言葉にするのは難しいけれど、心にダイレクトに効いて、しつこく心に残り続ける。 もっとこの作家さんのものを読みたい。
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七首の短歌をタイトルとし、さり気なく繋がるショートストーリー。 見開き2ページが400字詰め原稿用紙のようにものすごく字が少ないのでゆっくり読んでも読むのに30分掛からない。 一見どこにでもいる普通の人たちの日常の中にあるそれぞれの秘密。 それはこの本の中だけの特別なことではなく...
七首の短歌をタイトルとし、さり気なく繋がるショートストーリー。 見開き2ページが400字詰め原稿用紙のようにものすごく字が少ないのでゆっくり読んでも読むのに30分掛からない。 一見どこにでもいる普通の人たちの日常の中にあるそれぞれの秘密。 それはこの本の中だけの特別なことではなくて、きっとみんな多かれ少なかれそんなふうに生きているんだと思う。 家庭でも、職場でも、毎日顔を合わせ何年もそばにいてもきっと知らないことがほとんどなのだ。 それはきっと真理だと思う。 それでも、それだからこそ、私はとても悲しかった。 それはそれとして是も非もないことなんだろうけど悲しい。 それでも私は分かり合いたい。 知らないことが幸せなのかもしれないけれど、分かり合って、埋め合いたい。 そんなふうに真面目に受け止めてしまうくらいには心を強く揺さぶられました。 しかし枡野浩一さんにしても穂村弘さんにしてもすごく若いと勝手に思っていたらなかなかのおっさんなので驚く。このような人達はきっと少年が過ぎるんだろうな。 ・ 毎日のようにメールは来るけれどあなた以外の人からである ・ だれからも愛されないということの自由気ままを誇りつつ咲け ・気づくとは傷つくことだ刺青のごとく言葉を胸に刻んで ・絶倫のバイセクシャルに変身し全人類と愛し合いたい ・両親のパロディとして子は生まれどこまでずれていけるんだろう ・この歌は名前も知らない好きな歌いつかも耳をかたむけていた ・指圧師は咳をしつづけ右脚の痛みほぐれていく午前二時
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※このレビューにはネタバレを含みます
短編。 夫婦で出かけた先でなくした携帯。壊れて連絡がつかなくなった相手を思う妻。 売れないモデルがカフェで思うこと。 芸能事務所のマネージャーが銭湯を渋った理由と、刺青を銭湯スタッフに注意される出来事。 少年とキャッチボールをしながら、男でも女でもない自分を持て余していること。 父子家庭で交際していると思っていた女性との旅行で、堕胎承諾書を見せられる瞬間。 冗談好きのピアニストと関係を持つものの、彼の元妻たちが集まる演奏会で知る事実。 宿泊先でゲイのマッサージを頼むやりとりと、翌朝知ること。 男女や性別を超えての微妙な関係。 すぐ読める。
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7首の短歌に短編が付随している形の連作です。 私は特に現代短歌が好きという訳でもなく知識もないです。 しかし、枡野浩一さんにしろ穂村弘さんにしろエッセイや短い文章がとても魅力的で小説家とはまた違う才能を感じる。 この作品に登場する人物達の満たされなさ、寄る辺なさにヒリヒリし...
7首の短歌に短編が付随している形の連作です。 私は特に現代短歌が好きという訳でもなく知識もないです。 しかし、枡野浩一さんにしろ穂村弘さんにしろエッセイや短い文章がとても魅力的で小説家とはまた違う才能を感じる。 この作品に登場する人物達の満たされなさ、寄る辺なさにヒリヒリします。 だからと言って弱者だとか敗者だとかいうわけではなく、淡々としていて本人の感情は抑え気味。優しいとか良い人とかいうわけでもない。 そんな所が好きです。 だれからも愛されないということの自由気ままを誇りつつ咲け
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「自らの短歌から生み出した大人のためのショートストーリー」と帯文にあるけれど短歌単体で31文字の文学なのだから短歌そのものを情景を定義してしまった印象。
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こういう短編集は好き。 自分の感傷的な部分が刺激される。 一気に読むとバランスが崩れそうで、少しずつ読んだ。 こういう感覚も大事にしたいな、と思う。
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ちいさなものがたり、ちいさなすれちがい。物語としても大きく展開するわけでなく、ココロに少しの引っ掻き傷を残して終わるようなものがたり。そのちいさなものがたりにココロが動かされる。そして世界というのは、人とのつながりによってできている。たとえそのつながりが当事者に見えなくても。
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フイにそんな歌を口ずさみたくなった理由の様なショートストーリー集。 さらりと過ぎてく日常だけど 劇的変化も無いけれど 実を言うとこの世界は自分から始まって、自分で終わっている様だ。 思わぬ大役を背負っている事に気付かされた気分(^^♪
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短歌+エッセイかと思ってたら、 短歌+連作小説(?)だった。 ショートストーリーが少しずつ繋がっている。 すぐに読み終わってしまって、少し物足りないかな… 31ページの短歌は、すごく好き。
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それぞれが少しずつ繋がっているショートストーリー。 淡々としてて、なんかみんなクールで、もうちょっとパンチが欲しかったなぁ。でも、そういうものなのかな。
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