獣の奏者(8) の商品レビュー
やっと本屋さんに行くことが出来たので、購入。あっという間の読破でしたが、衝撃的で身動きできず・・・。 アニメ版がタハイアゼで終了しているのは正解ですね。 外伝も読んでみようかなぁ。
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『獣の奏者』最終巻。先月出たての新刊です。 全巻を読み終えた時には、(到底あと1巻で収められる話ではないだろう)と思いましたが、見事にこの一冊で、物語を終結させていました。 途中までは、今までと同じテンポで話が進んでいくのですが、ラストが予想もつかない怒涛の展開となります。 隠...
『獣の奏者』最終巻。先月出たての新刊です。 全巻を読み終えた時には、(到底あと1巻で収められる話ではないだろう)と思いましたが、見事にこの一冊で、物語を終結させていました。 途中までは、今までと同じテンポで話が進んでいくのですが、ラストが予想もつかない怒涛の展開となります。 隠された歴史の中の多くの謎に包まれながらも少しずつ歩みを進めてきたエリンや真王たちですが、考えてみれば、最後の最後に積もり積もった謎が一気に解けたわけですから、話のスピードも一気に増すというもの。 王獣と闘蛇の全面闘争で、ついに明確な形を帯びた災いは、あまりに衝撃的なものでした。 たしかに、こういった形をとらないと、この物語は終わらないのだろうとは思いつつも、もはや完全に児童文学の範疇を超えている、非情な作品。 少女の成長物語でありながらも、冷酷なほどの分析・観察で織りなされた文章には、はじめからなかなか馴染めずにいましたが、最後の物語の収斂をむかえて、成長物語ではなく、民族の一大クロニクルだったことに気づかされます。 このままうやむやのまま、登場しないのだろうと思っていた、霧の民(アーリョ)と残った人々(カレンタ・ロゥ)の存在の謎についても、きちんと回収されたことに驚きました。 話の流れからいって、とても主要人物たちが彼らと交流する間はないのですが、なんと、伝説の存在だった彼らの方から、姿を現したのです。 全く予想にありませんでした。 謎は明かされましたが、時すでに遅し。 戦いの火ぶたが切って落とされます。 埋められようのない深い悲劇。逃れられない宿命の渦に巻き込まれていく人々。 最後の戦いのシーンはすさまじく無情で、おそらく著者は、自分のいつくしんだ人物が消えゆくシーンを書きながら、涙を流していたことでしょう。 『十二国記』に雰囲気が似ていると、これまでの巻の感想に書きましたが、獣との意思疎通や交流のむずかしさがずっと細かく綴られているだけに、遥かにやるせなさが残りました。 ただ、若干回収されなかった話はあるように思います。 オリとロランのその後の関係とか、エリンの母親が闘蛇に聞かせた指笛の意味とか。 あまりに話の流れが強烈過ぎたので、自分がそこまで読み取れなかっただけかもしれませんが。 コミック版が少年マンガ誌に掲載されていることに驚きましたが、ストーリー全てがわかると、とても少女コミック誌には載せられない内容だと納得できます。 ハードボイルドすぎるのです。 衝撃が大きく、読み終えた後は呆然として、すぐには動けませんでした。 大人と違って、悲劇の中の一縷の希望を読みとることがまだ苦手な子供にとって、読みこなすには酷すぎる内容のように思います。 子供には衝撃が大きい物語ではありますが、この本を読むことで、さまざまな疑問を抱えながら、一生懸命考えて成長していくことを、恐らく著者は望んでいるのでしょう。 はじめはロマンチックファンタジーだと思って読み始めましたが、最後には悲しみを帯びた凛々しい一大サーガとして、堂々と物語の幕が閉じられました。 子供には分かりづらい、繊細な内容も多々含まれていますが、逆に子供の方が、直観的に的確に物語の本質をつかめるような気もします。 どの世代にとっても、一読の価値ある作品です。
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獣の奏者、完結巻。 エリンという、一人の女性が歩んできた、過酷すぎる人生。 争いの惨さ。 児童書という枠には収まりきらないスケールだけれど やはり、この哀しさは、 子供の心にこそ、しっかりと根付いてほしいと思う。
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