素晴らしき哉、フランク・キャプラ の商品レビュー
[ 内容 ] 一九二九年の大恐慌でどん底にあったアメリカ。 失業者があふれ、沈滞した社会を映画で励ましたのがフランク・キャプラである。 『或る夜の出来事』『スミス都へ行く』そして国民的映画『素晴らしき哉、人生!』などの名作を監督、三度のアカデミー賞監督賞の栄冠を手にし、イタリア移...
[ 内容 ] 一九二九年の大恐慌でどん底にあったアメリカ。 失業者があふれ、沈滞した社会を映画で励ましたのがフランク・キャプラである。 『或る夜の出来事』『スミス都へ行く』そして国民的映画『素晴らしき哉、人生!』などの名作を監督、三度のアカデミー賞監督賞の栄冠を手にし、イタリア移民としてアメリカンドリームを実現する。 そして一九五〇年代に吹き荒れた赤狩りでアメリカに裏切られた男の人生。 本書は、今なおスピルバーグ、スコセッシをはじめ映画人から敬愛され、色褪せることのないキャプラ映画の魅力に迫る、本邦初の本格評伝である。 イントロダクションに山田洋次監督の特別談話「映画の嘘」を収録。 [ 目次 ] 映画の嘘(山田洋次(映画監督)) 序 アメリカがこよなく愛する映画―なぜいまキャプラなのか? 第1章 キャプライズム宣言―『狂乱のアメリカ』 第2章 善意の哲学―『一日だけの淑女』 第3章 いまなお新しいキャプラ―『或る夜の出来事』 第4章 アメリカと社会運動―『スミス都へ行く』 第5章 至高のアメリカ映画―『素晴らしき哉、人生!』 第6章 赤狩り―『波も涙も暖かい』 [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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キャプラとハリー・コーンとの丁々発止に笑ってしまう。学生時代あんなにもキャプラの映画観たのに、“移民”、“プロバガンダ”、”赤狩り“といった断片的なキーワードの繋がりに気を払ったことがなかったなぁ。確かに本邦初評伝にして入門書。何故いま?なのかは分からないが。
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とても読みやすくて、面白い評伝。イタリア移民の子が貧乏のなか学んで、カリフォルニア工科大学をでたが、職がなく、ギャンブラーや訪問販売員などをし、映画と出会い、ギャグマンの仕事をし、「監督になりたい」という夢を描いて、三度のアカデミー賞をとるなど、夢をかなえる。父の悲惨な死...
とても読みやすくて、面白い評伝。イタリア移民の子が貧乏のなか学んで、カリフォルニア工科大学をでたが、職がなく、ギャンブラーや訪問販売員などをし、映画と出会い、ギャグマンの仕事をし、「監督になりたい」という夢を描いて、三度のアカデミー賞をとるなど、夢をかなえる。父の悲惨な死(農場でポンプのベルトに挟まれ二つにちぎれて死んだ)、セレブとの結婚、そして離婚、長男の障害・死、二度の破産、プロダクションの売却、後年スランプにあえぎ、農場主になったり、波瀾万丈である。そのなかで、『狂乱のアメリカ』(大恐慌の時代に人道融資を行う銀行家を主人公にした映画)や、『或る夜の出来事』、『一日だけの淑女』、『オペラ・ハット』、『群衆』などの名作を生み、民主主義の腐敗を描いた『スミス都に行く』は、ナチスに占領されたパリで最後にかかったアメリカ映画となった。レーガンなども演説に引いている。そして、オバマ大統領もみているという、『素晴らしき哉、人生』。これは1946年、戦後の作品だそうだ。赤字で公開当初は失敗だったが、後年、著作権がきれてからテレビ放送され、リバイバルヒットとなった。「アメリカのすべてがある」とされる名画である。
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