いま、先生は の商品レビュー

朝日新聞教育チーム【著】

2012/07/02

教師だけが大変なんじゃない、他の仕事だって死ぬほど大変なんだ。
そんなことは教師だって分かっているけど、だからって教師が大変じゃないってことにはならない。

教師の大変な面や悲惨な話ばかりフィーチャーし過ぎじゃないのか、とは思うけど、事実ではあると思う。
過労死は、妥協できない仕事だからこそだし、先生になるべきと言われる真面目で実直な性格だからこそだし、人間関係が難しく複雑に絡む仕事だからこそ、起こることだ。
子供と接するのなんて大人と接するのよりよっぽど楽じゃないかと言う人がいるけどそれは違うと思う。
ただ接するだけなら簡単かもしれないけど、先生は「教」えて「育」てなきゃいけない。理解して、コントロールして、成長させなきゃいけない。
その重圧が、難しさがどれだけのものか。

親や社会に軽視され、それゆえ子供にも軽視され、上司や組織にも守ってもらえない。
教え育てることがますます難しくなっている状況で、つらくても本気で頑張っている教師の姿を メディアがこうやって知らせることは、すごく大きな意味があると思う。
教師も社会もお互いに思いやりあっていけたらどんなにいいだろう。
何がいいって、子供の為にいい。

2012/02/21

雑誌「教職課程」で紹介されていた。
書評が上手だったので手に取ってみた。
「教職はブラックだ」と盛んに言っていた友達がいるけれど、これを読むと思っていたよりも更に事態は深刻だとも思った。
学校の仕事は明らかに増えている。給食の時間も食育、休み時間も生徒指導、登下校の時間も不登校やいじめの対策。実習校でも若手教員ほど夜遅くまで勤務していた。
うまく力を抜けることは勿論必要だけれど、「適当」にやれる人ばかりが採用されるのでは本末転倒。
相談しやすい職場が今求められている。
そして、我々若い世代も、気軽に相談できる相手を見つける努力をしなければならないと感じる。

2011/11/20

朝日新聞が昨年連載した特集記事の単行本化。「仕事はやりがいがあるが、苦しい…。」と表紙の帯にある。早期退職をえらぶベテラン、過労死、心を病む者…。この本で取り上げられた先生たちの職場環境を見ていると、学校現場がまるでブラック企業みたいに見えてくる。これはまさに「教師も労働者だ」という労働問題でもある。（11/19）

2011/11/12

一気に読み終えてしまった。

まずはここまで取材した朝日新聞の取材力に脱帽。教師よりも記者のバーンアウトが逆に不安になった。
オリジナルの記事に載せきれなかった事例がもりだくさんで、
多くの示唆に富んでいた。

これから先生を志す学生と管理職は絶対に読むべき。