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「現代詩手帖」編集長日録 1965-1969 の商品レビュー

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2011/11/29

 24歳から27歳のあいだ、自身も詩を書きながら、創刊8年目だった「現代詩手帖」のひとり編集者をつとめた著者。当時の日記と編集ノートには、若さと気負いに満ちた60年代の日々が色鮮やかに残る。  ウイスキーを呑み、H氏賞を入沢康夫と競って、もらえなかったことを口惜しがる30代半ば...

 24歳から27歳のあいだ、自身も詩を書きながら、創刊8年目だった「現代詩手帖」のひとり編集者をつとめた著者。当時の日記と編集ノートには、若さと気負いに満ちた60年代の日々が色鮮やかに残る。  ウイスキーを呑み、H氏賞を入沢康夫と競って、もらえなかったことを口惜しがる30代半ばの白石かずこがいた。あるいは、鶴巻温泉の田村隆一宅に連載「若い荒地」の原稿をとりに行くと、酒屋に一日中入りびたる40代半ばの田村をカンカンになって連れてきて、目の前でビンタをくらわせた女性もいた。  新宿中央公園での、緊迫した状況劇場公演にも居合わせた。200名余りもの機動隊員に包囲されながらも、満員の観客の声援に押されて紅テントの中では芝居「腰巻お仙・振袖火事の巻」が続行。このときの台本を、詩の雑誌にもかかわらず掲載する。  そのほか井上光晴、鮎川信夫、谷川雁、寺山修司、辻征夫など、贅沢な顔ぶれだ。 (「週刊朝日」 2011/11/25 西條博子)

Posted byブクログ