ばるぼら(文庫版) の商品レビュー
映画化を受けて再読。こんなお話だったかー。前半と後半で明らかにムードが違って、手塚先生ご自身があとがきで書かれているように、主観的・観念的なものからオカルトへの転換がなされてますね。個人的には前半のミステリアスな雰囲気が好きでした。現代ではもう、こういう作品はなかなか発表しにくい...
映画化を受けて再読。こんなお話だったかー。前半と後半で明らかにムードが違って、手塚先生ご自身があとがきで書かれているように、主観的・観念的なものからオカルトへの転換がなされてますね。個人的には前半のミステリアスな雰囲気が好きでした。現代ではもう、こういう作品はなかなか発表しにくいだろうなぁ。作家性の強さとともに、時代を感じる作品でした。
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ばるぼらといふギリシャ語が、あるんだか何だか。 バーバリーの系統でいいと思ふが、さういふ、ムネモシュネ―の娘にそんなんをらんはー、でなくて、 ブラックマジックの辺とか、適当に「人形へなんか刺す」のはどっちかと言へば、あまたあるやつの内の日本向けで、若干ナショナリスムの、ブード...
ばるぼらといふギリシャ語が、あるんだか何だか。 バーバリーの系統でいいと思ふが、さういふ、ムネモシュネ―の娘にそんなんをらんはー、でなくて、 ブラックマジックの辺とか、適当に「人形へなんか刺す」のはどっちかと言へば、あまたあるやつの内の日本向けで、若干ナショナリスムの、ブードゥーとか魔女術とかを紹介するんでなくてただ資料をぱっと見てざっと捨ててるぽいのだが、 かつ、それでも、実は変態で(小説家さんならその辺 アレだぞ三島由紀夫先生は「男の娘時代」を公表してるぞ一応)売れっ子の小説家先生宅へ、ミューズ、ムサ、なんでもいい、とにかく物語、文化、なんかさういふのをもたらすなんぞが現れる。この辺はアート(魔法とか 藝術)の基本の筈。 『ホフマン物語』といふイデオロギーでエンターテインメントをあげるのは良い。
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読むべき作品。 読み始めるときは、時代背景をきちんと脳内に設定してから読み始めないと この作品のメッセージは伝わらないように思う。 読み手の性別の違いによって、この作品から受け取るものは、質も形もまったく違うものになるだろう。
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あえて平仮名で書かれたタイトル。 聞き覚えのあるような言葉。 しかし作者はさほど重要な意味をあてたわけではないらしい。 手塚先生はあとがきに、この作品は軽めの話だというようなことを書いていたけれど、どうしてどうして。 アーティストの心を揺さぶる様々な誘惑。 誘惑のように見える様々...
あえて平仮名で書かれたタイトル。 聞き覚えのあるような言葉。 しかし作者はさほど重要な意味をあてたわけではないらしい。 手塚先生はあとがきに、この作品は軽めの話だというようなことを書いていたけれど、どうしてどうして。 アーティストの心を揺さぶる様々な誘惑。 誘惑のように見える様々な思い出やトラウマ。 何かにとりつかれた人間がいかに、そのために疲弊し、すり減ってゆくか。 しかしその一方でどんなに満たされた瞬間を持つことができるか… そんなことをつらつらと考えた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『デパートの女』 『女と犬』 『黒い広場』 『秘密』 『砂丘の悪魔』 『黒い破壊者』 『狼は鎖もて繋げ』 『複製』 『狂気の世界』 『ブードゥー』 『黒ミサ』 『回帰』 『宣告』 『霧の中のパトス』 『大団円』
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手塚治虫の作品には、たまに背筋が凍るような(もしくは悪意が隠されているような)怖い描写や構成から成るものがあるのですが(個人的には、『ビッグコミック』に連載された1970年代前半の作品に突出して多い気がする)、「ばるぼら」もそんな作品のひとつです。悪趣味な魅力とでも言うのでしょう...
手塚治虫の作品には、たまに背筋が凍るような(もしくは悪意が隠されているような)怖い描写や構成から成るものがあるのですが(個人的には、『ビッグコミック』に連載された1970年代前半の作品に突出して多い気がする)、「ばるぼら」もそんな作品のひとつです。悪趣味な魅力とでも言うのでしょうか、登場人物の思想的な偏りかた(?)も相まって、怪談の様相を見せています。
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