シャンハイ・ムーン の商品レビュー
前作も良かったが、この作品も良かった。 もう一人の主人公、ロザリーの手紙がとても生き生きとしていて、 彼女の人生に引き込まれる。 ちょっと演歌っぽい(?)話の筋も、 嫌いじゃない。
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半月ほど前に読んだけれどレビューを書くのを忘れていた。 ユダヤ人のれきしをおりまぜて書かれていて面白い。 少し手紙が長いきもするけれど。 お気に入りのリディアとビルシリーズ。
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第二次世界大戦中の中国の話も絡んで面白かった。 アメリカの小説なのに時代背景もよく調べてあるなあ。 亡命者ロザリーの手紙の訳が、品や性格を表す感じでとても雰囲気が出ていていい感じだった。英語だとどんな風なのかなあ。
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リディアとビルの男女探偵シリーズ。今回はリディアが主人公。割りと大きな展開の話がめまぐるしく動く。いつもの軽妙な会話とあいまって、なかなか楽しい作品。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「この声が届く先」よりこの本のほうが先なのだが、うっかりして先に後者を読んでしまった。全くそそっかしい。 今回はリディアが主人公。だから背景も華僑の社会である。スイス人の弁護士アリスから友人が受けた依頼をサポートするためにリディアが雇われるところから物語は始まる。 ナチスに追われて上海に逃亡したユダヤ人の少女が 逃亡中に知り合った中国人の富豪の青年と、困難を乗り越えて結婚した。その愛の証である宝石「シャンハイ・ムーン」は行方の知れなくなっており宝石コレクターの垂涎の的。まさに伝説―。これを発見・持ち逃げした男が上海から高飛びしてNYにいるらしい。早速その行方を追い始めるリディアだが、案件を紹介した友人が殺害されるに至る。義憤に駆られ捜査を始めるリディア …とまあこれが話の枕。 元の所有者ロザリーの戦時中の体験をリディアと一緒に読むのだが、これが実に興味深い。リディアと一緒に華やかな上海をさまよい、軍靴の響きを聴き、少女の幸福を思わず祈ってしまう。シャンハイ・ムーンがどんな宝石か、想像するしかないのに読者の胸の中にも伝説が姿を現し、それに翻弄される人間たちの気持ちがわかってしまうのだ。瀟洒な古き良き上海と戦争の対比も鮮やかだし、NYと過去との対比も見事。 殺人事件は起きているが、登場人物に品があり、悲しげで心優しい印象なのも、この作品ならではの味わいだった。最後のどんでん返し、驚きとともに、ああ、とため息の出るような切なさだ。最後まで飽きさせず、大変上質なミステリだと思う。 前作の事件に心を痛め、リディアから遠ざかって孤独を託っていたビル。リディアとの信頼関係が回復されていく様子も見所のひとつだった。ビルの騎士ぶりが微笑ましいが、どちらも寄りかかりすぎない 爽やかな関係なのが私にはいい感じだった。このお話のあとでのビルを思うと、ふふふ…進展して欲しいなあ。
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色々凄い好きだった。本当に、ローザンは凄いなぁと思う。今回から少しずつ、違うものを題材にしているみたいだけど、それでも安定して面白いしローザンぽい。
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リディアとビルのシリーズ9作目。リディアの事件です。 今回の事件は知り合いの探偵ピラースキーに持ち込まれたもので、 リディアは当初アシスタントでした。 ところが調査を始めてすぐにピラースキーが殺害されてしまい、 依頼者はリディアも解雇してしまいます。 だからといってはいそうですか...
リディアとビルのシリーズ9作目。リディアの事件です。 今回の事件は知り合いの探偵ピラースキーに持ち込まれたもので、 リディアは当初アシスタントでした。 ところが調査を始めてすぐにピラースキーが殺害されてしまい、 依頼者はリディアも解雇してしまいます。 だからといってはいそうですかと引き下がるリディアじゃありません。 独自に事件を追いかけます。 このシリーズのテーマはいつだって家族です。 いろいろな立場や視点の違い故に起こる事件ばかりです。 今回もそんな家族の話だと思いますが、 戦争に翻弄された今は亡きロザリー・ギルダーが渦中の人なので、 特に胸に迫るものがありました。 事件の発端は戦争被害者の遺族に遺品を返還することでした。 ピラースキーの依頼者アリスはそういった返還事業を行う弁護士で、 上海で見つかったロザリーの宝石と、 それを持ち逃げした中国人を探して欲しいという依頼でした。 ところが程なく「シャンハイ・ムーン」というブローチの存在や、 ロザリーの家族関係が複雑な様相を呈してきます。 ユダヤ人であるロザリーはナチスの弾圧を逃れる為、 幼い弟の手をひいて上海に渡りました。 身寄りも知識も財産も無く未知の国に渡る心細さ。 後から来ることになっている母親に宛てた手紙が残されていて、 まだ十代のロザリーが書き綴る文章は、身につまされます。 また、手紙から感じる不安の中にも消せない好奇心、 前向きに人生を切り開こうとする明るさは、 その後の悲劇を歴史として知る読者には胸に迫るものがありました。
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長いこと追いかけているビルとリディアの探偵小説シリーズ。しばらくぶりの新刊も読み応えたっぷりで堪能しました。今回の話は今まで以上に錯綜していて、ちょっとこんがらがりましたです。9作目まできて、主役二人の関係性に関してハラハラするところはなくなったけど、その分、他の人間模様がたんね...
長いこと追いかけているビルとリディアの探偵小説シリーズ。しばらくぶりの新刊も読み応えたっぷりで堪能しました。今回の話は今まで以上に錯綜していて、ちょっとこんがらがりましたです。9作目まできて、主役二人の関係性に関してハラハラするところはなくなったけど、その分、他の人間模様がたんねんに書かれているように感じました。
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私立探偵のリディアは知り合いの同業者ピラースキーに頼まれ宝石捜しの案件を手伝うことになる。だが調査を開始してまもなく、ピラースキーは殺されてしまう・・・。消えた宝石と彼の死は?調査の過程で浮かび上がった伝説的なブローチ「シャンハイ・ムーン」の行方とかかわりがあるのか?そして相棒ビ...
私立探偵のリディアは知り合いの同業者ピラースキーに頼まれ宝石捜しの案件を手伝うことになる。だが調査を開始してまもなく、ピラースキーは殺されてしまう・・・。消えた宝石と彼の死は?調査の過程で浮かび上がった伝説的なブローチ「シャンハイ・ムーン」の行方とかかわりがあるのか?そして相棒ビルは現れるのか? ”リディア・チン&ビル・スミス”シリーズの第9弾らしいです。この「シャンハイ・ムーン」を読んで最初に思ったことは、・・・「これは他のも読みたい」です。500超なので結構なボリューム、私は500超は推理物で久しぶりに読んだ、だからまあ中だるみするかと思ったんですけど、良いペースで消化できました。 この小説で頻繁に出てくる歴史的背景や伝統(米国とシャンハイ。ユダヤと非ユダヤ)、リディアのビルへの感情(リディアの感情描写がとても多い気がしました。このシリーズではリディアとビルの関係性をしっかり把握したほうが、より楽しめるのではないかと感じました。特にこの「シャンハイ・ムーン」ではいきなりビルの話が出てきて、そこにリディアの母がちょい絡むというシーンが出てきますので、前巻を把握しておきたかったです)、シャンハイ・ムーン(過去と現代が絡み合い、事件の真相に近付いていく展開は見所)の3つがよく絡み合っていて、簡単に引き込まれました。 またやっぱり一番の肝はあの手紙ですね。事件のきっかけを作る役割を持つ手紙の重要性もそうですけど、やっぱりロザリーに感情移入してしまいます。この手紙の存在によって、事件に対してより意識的に読むことが出来ました(やはり読者を上手く取り込むすべをもつ小説は強いですね)。 ちなみにビルが個人的に気になる存在ですね。なんですか、あの妙な存在感ある台詞の言い回し。
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シリーズ最新作にして最高傑作。 ニューヨークの私立探偵、リディア・チンは小柄な中国系。 独立を保ちつつも時に協力し合うのが大柄な白人男性のビル。 1作ごとに交代で視点を変えて描かれています。 前作はビルの視点で。ビルの過去に絡む事件が起き、動揺したビルからはまったく連絡が来なくな...
シリーズ最新作にして最高傑作。 ニューヨークの私立探偵、リディア・チンは小柄な中国系。 独立を保ちつつも時に協力し合うのが大柄な白人男性のビル。 1作ごとに交代で視点を変えて描かれています。 前作はビルの視点で。ビルの過去に絡む事件が起き、動揺したビルからはまったく連絡が来なくなっていた。 内心怒りまくっているリディア。 4人の兄がいる末っ子のリディアは昔気質の母といまだ同居。私立探偵という仕事にもチャイナタウンに住む家族のほとんどは不賛成。 ましてビルとの関係には神経をとがらせていたが。 やっと連絡を寄越したビルと捜査に掛かります。 態度を硬化させていたリディアがだんだんほぐれてくるのも楽しい。 リディアの旧知の私立探偵ジョエルから依頼が来て、弁護士のアリスに会い、消えた宝石探しを手伝うことに。 ところがジョエルが殺されてしまう。 アリスは急に手を引くように言い出すが、とてもそうはいかないリディア。 戦時中の上海で起きた事件に端を発しているようなのだが。 シャンハイ・ムーンとは、今も皆が探し求めている幻の宝石だった。 オーストラリアから上海に亡命した若いユダヤ人女性ロザリー・ギルダーが母に当てて書いた手紙がありありと当時の事情を伝えます。 ナチスの脅威、残っている母達の心配、収容所での苦難、弟への思い。 読み込んで感情移入するリディア。 ロザリーは上海で名門の中国人チェン・カイロンと恋愛結婚し、それは現地の白人達にとっても中国人にとっても衝撃的なことだった。子供ももうけたが、混乱期に強盗に襲われて宝石を奪われたらしい。 ニューヨークにはその子孫が生きていた。 今もシャンハイ・ムーンに取り憑かれて… 複雑な人間関係、家族の感情のもつれが痛ましく、印象に残ります。 リディアの母の態度が軟化しているのが、ビッグニュース! 微笑ましい。 シリーズは「チャイナタウン」1994年に始まり、「ピアノソナタ」「新生の街」「どこよりも冷たいところ」「苦い祝宴」「春を待つ谷間で」「天を映す早瀬」「冬そして夜」2002年の順。 ほかに短編集「夜の試写会」も。 本作は2009年で前作からずいぶん空いたんですね。 2011年9月翻訳発行。
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