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意思決定のための数理モデル入門 の商品レビュー

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2013/08/10

工学部ヒラノ教授の本の中で紹介されていたオペレーションズリサーチという応用数学の分野の入門教科書。理系や経済学の合理的意思決定の考え方が勉強になった。 日常の意志決定を数学的に考えるとどのような合理的な結論が導かれるかという本。 大学でできるだけ多くの学生の希望を叶えるクラス編成...

工学部ヒラノ教授の本の中で紹介されていたオペレーションズリサーチという応用数学の分野の入門教科書。理系や経済学の合理的意思決定の考え方が勉強になった。 日常の意志決定を数学的に考えるとどのような合理的な結論が導かれるかという本。 大学でできるだけ多くの学生の希望を叶えるクラス編成の方法、入試における合格者の決定方法、複数の内定先の中から入社する会社の選択方法を数学的に分析する。テーマが身近で入りやすい。数学の式の部分は、むずかしくてついていけない部分もあるが、数式を追えなくても内容は理解できる。数学がわかればもっと面白そう。 選挙の際に毎日新聞が実施していたウェブ上の世論調査「えらボート」では自分の賛成する政策を点数化すると、自分の意見に近い政党が表示される。この仕組みも単純なオペレーションズリサーチの簡易版だったので、結構日常的に使われているんだろうな。 普段自分が考えている合理的な決定方法とは大して合理的ではないということもわかる。この本ではオペレーションズリサーチの歴史もわかりやすく解説されている。理論上、完璧な投票方式は存在しない(Kアローの一般不可能性定理)とか重要な問題全然知らなかったわ。 ノーベル賞までもらってる人の言うことだし、知らないの私だけですか❓

Posted byブクログ

2013/01/24

内容は数理モデル概論といった感じだが、学生が共感しやすいトピックを例にしてあり、非常に面白い。 例えば選択科目のクラス分け最適化、就活する際の企業選択の意思決定などなど。ゲーム理論の章では、授業の出席率を上げたい先生とサボりたい学生のイタチごっこがゲームとして定式化されている。先...

内容は数理モデル概論といった感じだが、学生が共感しやすいトピックを例にしてあり、非常に面白い。 例えば選択科目のクラス分け最適化、就活する際の企業選択の意思決定などなど。ゲーム理論の章では、授業の出席率を上げたい先生とサボりたい学生のイタチごっこがゲームとして定式化されている。先生の苦悩、学生の悪知恵、大学の内情を赤裸々に語れるのは著者ならではかもしれない。 著者の大学で使っていたクラス分けのモデルを、当事者である学生からの意見で改善していくプロセスなどは他書では見られない非常に重要なポイントだと思う。

Posted byブクログ