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淺野晃詩文集 の商品レビュー

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2012/11/16

 このたび『淺野晃詩文集』が、長年にわたり詩人に私淑してこられた中村一仁氏の独力営為によって編集、刊行せられた。詩集として、生前にまとめられた『淺野晃全詩集』(昭和60年)の補遺の性格をもたせる一方、文集としては、詩人が開陳する主張をを既刊の評論集から抄出して直接語らせるのではな...

 このたび『淺野晃詩文集』が、長年にわたり詩人に私淑してこられた中村一仁氏の独力営為によって編集、刊行せられた。詩集として、生前にまとめられた『淺野晃全詩集』(昭和60年)の補遺の性格をもたせる一方、文集としては、詩人が開陳する主張をを既刊の評論集から抄出して直接語らせるのではなく、編者が強く意図した「淺野のパーソナリティを色濃く伝へるものを収めたい」といふ編集方針により、詩人がその時代時代に関ってきた人々の思ひ出をふり返る「口ぶり」のなかに語らせようとしてをり、700ページに亘る分量に、彼の人生が一覧できるやう、少年時代、戦前の非合法活動時代、転向、戦中の活躍時代、戦後の流寓の日々と、まんべんなく回想の対象が採られてゐる。この方針は文芸評論でも、その対象との関りに於いて具体的な回想を伴ふ文章を中心に綴られてをり、淺野晃の人となりが汪溢する、読み物としてたいへん楽しい一冊に仕上がってゐる。 以下 http://libwww.gijodai.ac.jp/cogito/book/AsanoShibunshu.html

Posted byブクログ