くちぬい の商品レビュー
坂東作品の好きなところは、ヤッパリこの田舎風習の閉鎖的ドロ沼感です。映画をみているような描写がスキ。途中で本が閉じれない!一気読みでした。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
タイトル的にホラーかと思ったら、田舎は怖いという話やった笑 春夏秋冬の田舎の自然の美しさが書かれ、それとは対照的に嫌がらせが書かれて対比が良かった。 田舎に住みたいなーと思いつつも、人との距離が近すぎ、狭すぎて自分には向いてなさそう笑
Posted by
くちぬい とは… 口を縫う 口をつぐんで何も言わない 隠すこと 自分たちの意に添わないものは排除する集落の人たち…そして口をつぐむ… 東京から移住した夫婦を、追い詰めていく… 怖い‼️
Posted by
老後に田舎生活を夢見ている人もまだ多いのではないだろうか。知らない土地で、新しい生活。ワクワクするよりも知らない土地に長年住んでいる人とのコミュニケーション、新たな人間関係の構築、見知らぬ土地での孤立感、慣れた生活との離別は大きなストレスになるだろう。あり得そうで静かに怖い話だっ...
老後に田舎生活を夢見ている人もまだ多いのではないだろうか。知らない土地で、新しい生活。ワクワクするよりも知らない土地に長年住んでいる人とのコミュニケーション、新たな人間関係の構築、見知らぬ土地での孤立感、慣れた生活との離別は大きなストレスになるだろう。あり得そうで静かに怖い話だった。
Posted by
ロスジェネ、ゆとりなど、世代によって独特な思考があるように、団塊世代前後にも特徴的な傾向があるように思います。 昭和一桁生まれの人びとは、思春期前後の終戦によって価値観の崩壊を経験したことにより、自分たちが日本を作り上げなければいけない使命感で生き、新たな価値観を生みましたがが...
ロスジェネ、ゆとりなど、世代によって独特な思考があるように、団塊世代前後にも特徴的な傾向があるように思います。 昭和一桁生まれの人びとは、思春期前後の終戦によって価値観の崩壊を経験したことにより、自分たちが日本を作り上げなければいけない使命感で生き、新たな価値観を生みましたがが、それを今でも必死に守ろうとしているように思えます。 しかしその、例えば、終身雇用や持ち家神話、東京至上主義、年金制度は崩壊したにもかかわらず、それにボクも縛られざるをえないことに腹立たしさを感じます。 本書の違和感は、読了後も続きますが、久々に考えさせらたれ小説でした。
Posted by
舌禍に巻き込まれ最期は皮肉にも舌癌で命を落とした…存在は知っていても作品は読んだことのなかった坂東さん、やはり彼女の何事においてもストレートな姿勢は賛否両論となるであろうことを強く感じる。 作家の誰もが書くことを躊躇した震災後にいち早く災禍をモチーフとしていることもそのひとつであ...
舌禍に巻き込まれ最期は皮肉にも舌癌で命を落とした…存在は知っていても作品は読んだことのなかった坂東さん、やはり彼女の何事においてもストレートな姿勢は賛否両論となるであろうことを強く感じる。 作家の誰もが書くことを躊躇した震災後にいち早く災禍をモチーフとしていることもそのひとつであるのだがこの救われない結末とするのであれば敢えてそれが必要であったのだろうか? 作り方としてもそうで中盤まではのらりくらりの直球勝負で挫折しそうになることもしばしば、「いったい何が書きたかったのか?」と聞いてみたいが既にその口は縫われてしまったようで…
Posted by
さすがに坂東さんなのでうまい。うまいんだけれど、面白くはない。過疎の高齢化集落に根を張る陰湿な感情が次第に立ち現れてくる描写に終始し、そこには意外性も不条理もない。はなからミステリーを書く気はないのかもしれないが、このお話だったら原発とか赤線とか口縫いとかの意味ありげなワードは不...
さすがに坂東さんなのでうまい。うまいんだけれど、面白くはない。過疎の高齢化集落に根を張る陰湿な感情が次第に立ち現れてくる描写に終始し、そこには意外性も不条理もない。はなからミステリーを書く気はないのかもしれないが、このお話だったら原発とか赤線とか口縫いとかの意味ありげなワードは不必要ではないですか?
Posted by
福島原発事故の影響から逃れるために、高知県の山の中に移り住んだ、一組の夫婦。 夫は、自宅敷地内に趣味の陶芸の窯を作ったが、そこは古くから伝わる神社への通り道、赤線とよばれる部落の通路の上だった。 赤線の上に邪魔になるものは置いてはいけない。赤線の上で起きたことは、部落の外には伝わ...
福島原発事故の影響から逃れるために、高知県の山の中に移り住んだ、一組の夫婦。 夫は、自宅敷地内に趣味の陶芸の窯を作ったが、そこは古くから伝わる神社への通り道、赤線とよばれる部落の通路の上だった。 赤線の上に邪魔になるものは置いてはいけない。赤線の上で起きたことは、部落の外には伝わらない。 その日から夫婦への陰湿な嫌がらせがはじまる... 田舎に泊まって、体験をするのは良いけれど、移住する時はよく気をつけましょう。 お客さんには、一見親切そうにみえる人たちも、自分たちの部落の内側に入ってくるものには、敵意を示す場合があるからという、恐ろしい教訓的お話。
Posted by
一月に亡くなった、坂東眞砂子の最新刊。 未完の絶筆となった「眠る魚」も発売されているが、いずれも東北の大震災後の作品。
Posted by
定年退職を機に、東日本大震災の脅威と放射能汚染の恐怖からのがれて、東京から四国の高知県白縫へ転居してきた麻由子と竣亮の夫婦。 高齢者ばかりの過疎地で余生をのんびりと過ごすつもりの二人だった。 村の中に広い土地と家を購入し畑を耕して、 村の共同作業にも顔を出し、村人たちの仲間に入...
定年退職を機に、東日本大震災の脅威と放射能汚染の恐怖からのがれて、東京から四国の高知県白縫へ転居してきた麻由子と竣亮の夫婦。 高齢者ばかりの過疎地で余生をのんびりと過ごすつもりの二人だった。 村の中に広い土地と家を購入し畑を耕して、 村の共同作業にも顔を出し、村人たちの仲間に入ろうとしていた。 やがて二人は村の守り神として祀られているくちぬい様という神社のことを知る。くちぬいは普通は蛇のことをさすから、水神様とも言われているらしいが、白縫の高齢者たちにとっては、くちぬい様は絶対侵してはならない神仏だったのだ。 春に引っ越してきて夏が来るころには、村人が竣亮の陶芸窯がくちぬい様へ通じる赤線とよばれる道の上にあるから、どけろと言い始めた。夫婦が断ると、それから少しずつ嫌がらせが始まったのだ・・・。 過疎の村独特の閉鎖的な習慣や考え方がこの作品のテーマだろう。 所詮、都会からの移住者は、余所者でしかないのだろうか。 そういえば、つい最近もこのテーマと近い状況での事件があった。 実父の看病をしに、町から生まれ育った村へ戻って来た男性が、 両親が亡くなるとともに、だんだんと村八分に近い扱いをされた事件・・・。 小説と同じよう状況の事件だったので、読みながら思い出してしまった。 一人一人は弱いのに、集団で一つの秘密を守り抜こうとすると強大な結束力ができるのが人間なのだろう。そこへ崇拝する神まで存在していれば、全くの怖いものなしだ。 周りの意見も聞かない図太い神経と凝り固まった自分勝手な思想に圧倒されてしまった。 神の名前とばかり思っていたタイトルには隠された秘密があった。 作品の終盤でそれと気がつき、やはり怖いのは人間の心だと思った。
Posted by