図説 オーストリアの歴史 の商品レビュー
ここらへん、わかりにくくて苦手。おそらく粗筋だけでもそれなりに理解している人ってものすごく少ないよな。
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やっぱりふくろうの本シリーズは図解が多い上に情報量が多いです。 そこが魅力的で夢中になって読みました。 オーストリアと言えば音楽の街、そしてマリアテレジアとマリーアントワネットの生まれた国というイメージでした。 だからオーストリア人がオーストリアという国にアイデンティティどころ...
やっぱりふくろうの本シリーズは図解が多い上に情報量が多いです。 そこが魅力的で夢中になって読みました。 オーストリアと言えば音楽の街、そしてマリアテレジアとマリーアントワネットの生まれた国というイメージでした。 だからオーストリア人がオーストリアという国にアイデンティティどころか「望まぬ国」と言われていたとは思いませんでした。 だからドイツに併合を望みナチにも積極的に関わろうとすることも驚き。 中立国ということも知りませんでした。 この国でもやっぱりムスリムやユダヤの問題は昔からある根深いものなんですね。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
以前から気になっていたドイツとオーストリアの関係を読み解きたいと言う気持ちが解消出来るかな?と読み始めましたが、オーストリアは思ったより難敵だった。ナチズムが生まれていく背景にある反ユダヤ主義の源流がマリア・テレジアのユダヤ人保護(一旦追放して経済が失速して再び呼び戻す件り)に始まると思えたり、バルカン諸国やポーランドを丸抱えにしてたオーストリア帝国が分割されていく事で産業経済の心肺を切り離されて消費地と山岳地域だけが残される悲喜劇...この本の特筆すべき部分、オーストリアはナチスドイツに併合された一方的被害国では無いと言う視点。一般的ではないと思いますが、これを踏まえて考えると腑に落ちる部分多々あります。長年後ろ楯として頼ってきたロシア・ソ連との敵対、第二次大戦後共産主義を食い止める壁として西側諸国と当該ソ連との綱引きもスリリングだし、東欧諸国と西側の関所としての錬金術、ナチス党員疑惑の人物が国家元首になってしまう、東西冷戦終結の際の役割等、近現代に思った以上のトピックがありました。第一次大戦終結はそれまでヨーロッパの中心であり世界史の主役だったオーストリアが脇役に回っていくタイミングでもあるけど、今に続く問題を多く産み出して行く中東やバルカン諸国の分割独立自治再編が始まったタイミングでもあるのだなと実感。 余談ですが、この本を読んでいて学校で勉強する世界史のフランス革命のウェイトの高さが不思議に思えたのですが、読み進む内に現代社会の根幹を為す主権在民の台頭と市民革命が成功した波及効果を考えると故なき事ではないと納得...等々、本書を受けて派生してる歴史・疑問を補完して行きたくもなりました。で、当初の疑問は解消して無いと言う(笑)
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