地の鳥 天の魚群 の商品レビュー
―結局それは絶望ということではないでしょうか― 石脇氏が最近見た気掛かりな夢の話を聞いたK氏は、彼にそう語った。その言葉が妙に腑に落ちた石脇氏だったが、それから彼の身の回りで色々な変化が起き始める。 なんとも形容しがたいよく理解できない話。彼がおかしくなったのか、周りがおかしい...
―結局それは絶望ということではないでしょうか― 石脇氏が最近見た気掛かりな夢の話を聞いたK氏は、彼にそう語った。その言葉が妙に腑に落ちた石脇氏だったが、それから彼の身の回りで色々な変化が起き始める。 なんとも形容しがたいよく理解できない話。彼がおかしくなったのか、周りがおかしいのか。ただただ、地面から鳥の足の部分だけが茸のように逆さまに生えている光景というのはおぞましいばかりである。
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読んでいて気持ちが悪くなった。グロとかそういうわけではなく、平成の時代の生々しい不気味さ。はじめから最後まで悪夢を見ているような感覚。伏線は沢山はられており、これをどう展開して終息していくのかとある意味ワクワクしながら読んだが、結局何一つ回収されず、それもなんとも気持ち悪かった。この作品はこの独特の『気持ち悪さ』を味わう本なんだろう。 表紙絵の長谷川潾二郎の絵が好きだったのでこの本を手にとってみたが、それまで持っていなかった気持ち悪いイメージが彼の絵に紐付けされてしまいちょっと悲しい。 表題作のあとに続く短編2作は意外性があり綺麗にまとまっていてとても良かった。江戸川乱歩の墓を参る男の話と、家の床下に深い穴を見つけた兄弟の話。この2作がなければこの作家の作品はもういいや、と思ったかも。
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奥泉さんの処女作だそうな。他2編、短編が載っている。 処女作には、その作家のすべての要素がつまっていると言われるが、なるほど「ザ・奥泉」な作品である。 不条理、不合理の向こう側に顔を覗かせる、人間のアイデンティティーの曖昧さ、足をつけているこの地の脆弱さを、不気味に、なおかつ滑稽...
奥泉さんの処女作だそうな。他2編、短編が載っている。 処女作には、その作家のすべての要素がつまっていると言われるが、なるほど「ザ・奥泉」な作品である。 不条理、不合理の向こう側に顔を覗かせる、人間のアイデンティティーの曖昧さ、足をつけているこの地の脆弱さを、不気味に、なおかつ滑稽に描き出す。独特の世界観は、初めからすでに確立していたのですね。 表題作は、絶望に苛まれながらも、そこからの脱出を試みるエネルギーに満ちた作品。謎が解けないと満足できない人は読むべからず。 背筋がゾッとする「乱歩の墓」がかなり好きです。
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「石の来歴」が面白く、同じ作家の作品が読みたかったので。 うーん処女作ということだったので、これも仕方ないか。 若い文章と構成。 今の氏の作品とはやはり別物。
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薄暗い夜の銀座線で読んでたのですが、背筋が凍りました。 車両に一人きりとかでなくて、普通に混んでたんですが うすら怖くなって思わず、ポケットのiPod再生かけました。 ちょっとしたホラーでした。。。やっぱり人って怖い。 装丁は手触りもよくて美しいですね。
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