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戦国時代の静岡の山城 の商品レビュー

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2013/03/24

静岡県(遠江・駿河・伊豆)の山城研究の本。従来の「縄張研究」によるアプローチに、大規模発掘による考古学的な知見を交えた論考を展開している。静岡県は、今川氏・武田氏・徳川氏・北条氏が激しく争った地域であり、支配主が変わるたびに城郭は修繕・拡張が繰り返された。現在残っている城跡の縄張...

静岡県(遠江・駿河・伊豆)の山城研究の本。従来の「縄張研究」によるアプローチに、大規模発掘による考古学的な知見を交えた論考を展開している。静岡県は、今川氏・武田氏・徳川氏・北条氏が激しく争った地域であり、支配主が変わるたびに城郭は修繕・拡張が繰り返された。現在残っている城跡の縄張りを見ただけでは、「最後の支配主」の時代の輪郭しか分からないのだが、埋蔵物の年代推定や、土層の分析などの考古学的な手法を用いることにより、その城の改修遍歴や、時代ごとの利用実態などを推定できるようになる。文献研究の成果を突き合わせることで、互いのエビデンスとしての信頼性を高めることもできる。本書は一般書ではあるが、郷土史家による最新の研究・論考の成果が詰まっており、城跡研究の第一人者たちの凄みが存分に感じとれる。読み応えのある一冊。

Posted byブクログ