カッシーラーのシンボル哲学 の商品レビュー
『シンボル形式の哲学』を中心に、カッシーラーの思想についての考察をおこなっている本です。 著者はまず、ヘルダーとフンボルトの言語思想を概観し、彼らの思想がカッシーラーのシンボル形式に関する思想にどのように継承されているのかを明らかにします。とくにカント哲学を下敷きにすることで、...
『シンボル形式の哲学』を中心に、カッシーラーの思想についての考察をおこなっている本です。 著者はまず、ヘルダーとフンボルトの言語思想を概観し、彼らの思想がカッシーラーのシンボル形式に関する思想にどのように継承されているのかを明らかにします。とくにカント哲学を下敷きにすることで、それぞれの関係がわかりやすく示されているように思います。 次に著者は、神話に関するカッシーラーの議論を読み解き、ヘルマン・ウゼナーの神話論を参照しながら、神話の起源についてのカッシーラーの考えを解明します。さらに著者は、カッシーラーのシンボル形式についての思想がもつ、認識論的および人間学的な意義を明らかにし、宗教や科学、哲学史など、幅広い思想的な関心を示すカッシーラーの哲学の根幹となっている思想について考察を展開します。 なお巻末には、カッシーラーの思想の継承者ともいうべきランガーの思想と、カッシーラーの宗教哲学についての論考、さらにカッシーラーの論文「ヴィルヘルム・フォン・フンボルトの言語哲学におけるカント的要素」の日本語訳が収められています。
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