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1985年のクラッシュ・ギャルズ の商品レビュー

4.3

16件のお客様レビュー

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2011/12/05

新日命だった、あの当時、クラッシュは視界にチラチラ入ってくるだけの存在でした。もっというと「女子プロがプロレスの真似してるのは嫌だな…」ぐらいに思っていたかもしれません。嗚呼、悲しいほど能天気。振り返れば1985年は男女雇用機会均等法施行の一年前でした。自分のおつむも男女雇用機会...

新日命だった、あの当時、クラッシュは視界にチラチラ入ってくるだけの存在でした。もっというと「女子プロがプロレスの真似してるのは嫌だな…」ぐらいに思っていたかもしれません。嗚呼、悲しいほど能天気。振り返れば1985年は男女雇用機会均等法施行の一年前でした。自分のおつむも男女雇用機会均等法以前。柳沢プロレス三部作の最後のこの本は前の2冊と違いリアル観戦体験のないプロレスについてでした。しかし一気にハイスパートリーディング、アッと言う間にスリーカウント!二人の天才の戦いは女子が世の中で自分の場所を得るための闘争であったことがわかります。全女という狂った親父組織の中で魂の叫びが時代の女子たちの自我のモヤモヤに火を点けたのがクラッシュブームだったのですね。そのテーマは二人に加えて三人目の主役としてファンからライターまで四半世紀を、社会と女子の摩擦の中を駆け抜けている伊藤雅奈子さんを設定したことでより明確になったと思います。さて今はどんな破壊が時代に要請されているのでしょうか?

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2011/10/28

すべては長与千種に操られていたのか、という思いと、その天才ですら逆らうことができなかった時代の流れ。

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2011/10/21

この本に手をつけたのが休みの日で良かった。通勤中に読み始めたら、続きが気になって仕事が手につかなかったろう。 「1976年のアントニオ猪木」で唸らされた柳澤健の女子プロレス版の新作である。タイトルからもわかるとおり、長与千種とライオネス飛鳥を中心に女子プロレスラーなどに話を聞いて...

この本に手をつけたのが休みの日で良かった。通勤中に読み始めたら、続きが気になって仕事が手につかなかったろう。 「1976年のアントニオ猪木」で唸らされた柳澤健の女子プロレス版の新作である。タイトルからもわかるとおり、長与千種とライオネス飛鳥を中心に女子プロレスラーなどに話を聞いてまとめてあるのだが、効いているのが、クラッシュ・ギャルズにはまり、プロレスライターにまでなってしまった女性ファン(正確には飛鳥ファン)のモノローグ。彼女の章が時代の移り変わりを見事に伝えている。 女子プロレスに特別な興味はないが、クラッシュ・ギャルズ時代まではさほど興味がなくとも、露出が多かったのでそれなりにわかっていたつもり。しかしながら、飛鳥のレスラーとしての肉体的な天分や長与のショーとしてプロレスを盛り上げる才能についてはこの本に教わった。読まされました。

Posted byブクログ

2011/10/06

読み終えて、いや、読み終えるずっと前から泣きながらページを繰っていた。私自身は、団体対抗戦の時代が終わったのに合わせるように女子プロの話題を追うことはなくなってしまったけれど、本書に描かれている"時代"を紛れもなく共にしていたという強い思いがある。女子プロは、輝きと、暗くて複雑で...

読み終えて、いや、読み終えるずっと前から泣きながらページを繰っていた。私自身は、団体対抗戦の時代が終わったのに合わせるように女子プロの話題を追うことはなくなってしまったけれど、本書に描かれている"時代"を紛れもなく共にしていたという強い思いがある。女子プロは、輝きと、暗くて複雑で陰惨な物語を併せ持った稀有なエンターテイメントだったと思う。いま、あの時代の空気の記憶を呼び起こされて、両の掌にじっとりと汗を感じている。

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2012/01/09

熱狂の残滓かつて日本を席巻した女子プロレス史上最高のタッグ、クラッシュ・ギャルズ。全日本女子プロレスからデビューした、ライオネス飛鳥、長与千種というベビーフェイスの2人は、女子プロ界に革命をもたらす。ビューティ・ペアでさえ成し得なかった、女性ファン、それも少女のファンを大量に獲得...

熱狂の残滓かつて日本を席巻した女子プロレス史上最高のタッグ、クラッシュ・ギャルズ。全日本女子プロレスからデビューした、ライオネス飛鳥、長与千種というベビーフェイスの2人は、女子プロ界に革命をもたらす。ビューティ・ペアでさえ成し得なかった、女性ファン、それも少女のファンを大量に獲得した。少女たちは血を流しながら悪役レスラー(ヒール)に立ち向かうクラッシュ・ギャルズに自らを重ね、熱狂した。あるものは親衛隊を組織し、あるものは己をクラッシュ・ギャルズにすべく、全女の門を叩いた。黄金期を迎えた女子プロシーンはしかし、80年代末、クラッシュ・ギャルズの引退とともに終焉を迎える。少女たちはリングの周りから姿を消した。90年代に入ると女子プロは、北斗晶らを旗頭に、より過激に、より危険に、より命知らずにシフトし、男性ファンを中心に新たな活況を博す。そうして作りあげたシーンに、クラッシュの2人は復帰・合流。自らの団体ガイアを立ち上げた長与千種と、プロレスに覚醒したライオネス飛鳥が戻り、女子プロシーンはクライマックスに向かって加速していく・・・。こういった女子プロシーンの動きを、長与千種、ライオネス飛鳥、そして元親衛隊(プロレスライター)の3目線から追う。非常に面白い。

Posted byブクログ

2011/10/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

昨年のオール讀物の記事「『赤い水着、青い水着 クラッシュ・ギャルズが輝いた時代」がめちゃめちゃ面白かった。本書は同記事を母体に、「ともに生きたファンの視点」も盛り込んで加筆、読み応えのあるノンフィクションとなっている。 80年代後半、女子プロレスに仕事で少しだけかかわったことがあるもんで、いろんな記憶がよみがえってしまった。

Posted byブクログ