お買い物の経済心理学 の商品レビュー
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[ 内容 ] われわれがモノを買う現場には様々な仕掛けが張りめぐらされている。 お客の財布のひもを緩めるべく、心理学を駆使した売り手の努力がそこにはある。 他方、買い手が商品の購入を決めるとき、値段についてどのような判断が働いているのか。 本書は、売買における両者の駆け引きの内実を多面的に掘り下げるとともに、消費不況の時代にふさわしい折り合いの付け方を提案する。 賢いお買い物をするためのヒントとなる一冊。 [ 目次 ] 旬と相場を天秤にかける 第1部 お値ごろ大好き―買い手のしあわせ(人生すべてバランス感覚;価格よりもお値ごろで選ぶ;値ごろ感の正体は二乗のお得感) 第2部 売るぞ・売れたぞ―売り手のしあわせ(買い物を誘う手練手管;決断させる説得術;現場の経済心理学) 第3部 売り手と買い手のガチンコゲーム(買い手の弱み―揺らぐ値ごろ感;売り手の弱み―値引作戦の落とし穴;値ごろ感が軸―進化する買い手と売り手) [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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ちょいちょい読み飛ばしもしたけどこんなにお買い物をネタに専門的な話ができるとは、とびっくり 基本各章の最後を読めば良いという親切設計
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値ごろ感(価値÷価格)で、こんなに多くのことが説明できるとは! 面白かった。 いいものを少しでも安く、という消費者の購買戦略と、少しでも高く売りたいマーケティング戦略の解説が主軸になっていたかな、と思った。 副題に「何が買い手を動かすのか」とあるが、どちらかというと、売り手の側...
値ごろ感(価値÷価格)で、こんなに多くのことが説明できるとは! 面白かった。 いいものを少しでも安く、という消費者の購買戦略と、少しでも高く売りたいマーケティング戦略の解説が主軸になっていたかな、と思った。 副題に「何が買い手を動かすのか」とあるが、どちらかというと、売り手の側の方が記述量多めかな。 今、買い手側の力が強い状態だという。 消費者たる自分の立場ではありがたいことだが・・・ 値下げ戦略は、品物の値打ち、ブランド価値を損ない、通常価格で売ることができなくなり、市場が荒廃するという筆者の指摘が心に残る。 以前読んだ金子哲雄さんの『激安のカラクリ』にあった、激安を求めることで生産者を損なってしまうという話を思い出した。 この先インフレが進行していくのかもしれないが・・・この状況は変わるのかな。
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われわれがモノを買う現場には様々な仕掛けが張りめぐらされている。お客の財布のひもを緩めるべく、心理学を駆使した売り手の努力がそこにはある。他方、買い手が商品の購入を決めるとき、値段についてどのような判断が働いているのか。本書は、売買における両者の駆け引きの内実を多面的に掘り下げる...
われわれがモノを買う現場には様々な仕掛けが張りめぐらされている。お客の財布のひもを緩めるべく、心理学を駆使した売り手の努力がそこにはある。他方、買い手が商品の購入を決めるとき、値段についてどのような判断が働いているのか。本書は、売買における両者の駆け引きの内実を多面的に掘り下げるとともに、消費不況の時代にふさわしい折り合いの付け方を提案する
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自分が何かを買った時の心理を振り返ってみると、年とともに心理状態が異なっているような気がします。 若いころは、衝動買いか、誰かが買っているから買うという行動が多かったと思います。最近では、若い時よりは少しは余裕があるので、自分にとって本当に必要か、もしくは「欲しいか」という点に...
自分が何かを買った時の心理を振り返ってみると、年とともに心理状態が異なっているような気がします。 若いころは、衝動買いか、誰かが買っているから買うという行動が多かったと思います。最近では、若い時よりは少しは余裕があるので、自分にとって本当に必要か、もしくは「欲しいか」という点に意識して購入していると思います。 このように何となく自分で意識していた内容について、この本の著者である徳田氏は解説をしてくれています。 以下は気になったポイントです。 ・ものを買うときには、価値と費用を比べた値ごろ感が判断の基礎にある(p21) ・一番使うものには、一番良質なものを買う、日割り計算で考えたら、安い(p32) ・人間は警戒すると拳を握る、じゃんけんで、グーの出す確率が最も高く、次いでパーとなる(p35) ・食品に必要な新鮮さを連想させる、グリーン、食欲をそそる、レッド、親しみを与える、レッドをセブンイレブンの看板の色は構成されている(p37) ・短期的には人間は、たかだか9個程度の単位の情報処理しか行えない、また短期的記録は、数十秒しか保てない(p92) ・即効性のある売り方は、1)価格を下げても取引効用(市場相場価格)は下げない、その方法として、a)あらかじめ高めの価格設定、b)お金を掛けていることを見せる、2)市場相場価格が見えないようにする、方法として、セットメニュー等、3)大きさの変化、4)価格ラインの変化(p122) ・カーセールスの秘術とは、1)最高装備のものから見せる、2)最高車種に試乗させる、3)ショールームでコーヒー、4)値引きできるかを上司に掛け合ってみる、という殺し文句(p144) ・選択枝は3点にする、二点だといずれかが良いかに迷う、1点は「おとり」でよい(p179) ・追加購買の価値は、全体の25%以上増やすものではいけない(p183) ・価格には支払い費用額を示す役割と、価値を表示する役割の2つがある、価格を下げることは、その反面、商品価値が下がったことを示している(p203) ・マクドナルドは値下げ作戦ではなく、高級ハンバーガー(クォータバーガー)を志向すべきであった、しかし同時に値ごろセット商品は無料コーヒーも並行して打つことで、低価格であるが価値志向を打ち出せる(p205) 2012年1月7日作成
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効用が費用を上回った時、買い手は財布を開く、という当たり前の主題について延々と書かれている。話は一貫性があまりなく脱線しがち。読みやすいが頭に残りにくい。 ちょっと面白かったのは値下げの効果についてで、価格は価値を表す指標でもあるので、値下げは商品の価値を下げ、そこから回復しない、という説明。 ・何かを売るときは松竹梅のように三点というのが基本。真ん中(竹)がcoreである。二点だと迷いやすいので、decoy でもよいので三つ目を入れる。 ・25%ルールというものがあり、追加購買の価格は元の25%以内にとどめる。雑誌のオマケは本体の25%以内とか。 ・
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「お買い物は買い手と売り手の心理ゲームである。」 P.206 ・マックの無料コーヒー ・カーディーラーの残価設定プラン ・ショップチャンネル ・スーパーマーケットの時間限定セール ・ミスドの100円セール ・雑誌のおまけ…。 もちろんどんなゲームにも勝者、敗者また...
「お買い物は買い手と売り手の心理ゲームである。」 P.206 ・マックの無料コーヒー ・カーディーラーの残価設定プラン ・ショップチャンネル ・スーパーマーケットの時間限定セール ・ミスドの100円セール ・雑誌のおまけ…。 もちろんどんなゲームにも勝者、敗者または引き分けという3種類の結果が伴うのだが値下げでモノがたくさん売れたのがどちらの勝利でどちらの敗者かは単純にわからないほど駆け引きは高度である 「価格は費用でもあり、価値も表している。したがって価格を操作すると、結果として価値も操作してしまうことになる。」 P.214 これが値引きの難しさを完璧に言い表している 値引きすれば短期的には商品が売れて売上は伸びるけれど買い手は値引きされた価格が基準化されるので以前の価値のままの価格では買えない 価格を戻すときには商品価値をあげる等リニューアルをしなければならない 今も昔もこうして経済や流通は成り立っている 便利な社会とは競争の中で発展するのだがライバル企業だけでなく買い手、売り手の競争もあったのかな?と感じた一冊
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