少女不十分 の商品レビュー
個人的には多少くどいと読み進めていて感じた。 けれど、全くと言っていいほど面白かった。 どう面白かったと横から聞かれてもうんともすんともつかない感想しか浮かばないけれど。 一番印象に残ったのは主人公が担当編集者とお会いする最後のシーンだ。 さすが小説家らしい終わり方。どうか不十分...
個人的には多少くどいと読み進めていて感じた。 けれど、全くと言っていいほど面白かった。 どう面白かったと横から聞かれてもうんともすんともつかない感想しか浮かばないけれど。 一番印象に残ったのは主人公が担当編集者とお会いする最後のシーンだ。 さすが小説家らしい終わり方。どうか不十分な少女が幸せであって欲しいと切に願う。
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何とも奇妙な題材。読み終えるまでこれは小説なのかそれともノンフィクションと疑い続け、尚且つ途中で止める訳にもいかず、一気に読み終えてしまいました。 何とも奇妙な・・・
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読み始めてからの前説が長くて、早く本題に入ってほしいと思いながら読み進めました。 主人公の大学生と小学生の少女の関係性が独特で、終盤で一気に今までの事象がつながって面白かったです。
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『だから聞いてくれ』 悪いがこの本に粗筋なんてない。これは小説ではないからだ。だから起承転結やサプライズ、気の利いた落ちを求められても、きっとその期待には応えられない。これは昔の話であり、過去の話であり、終わった話だ。ーーーーー 物語シリーズから少し離れていたが、今改めてこの本を読めて良かったなと思う。他のタイミングだったらもっと違う読後感になっていたと思うので。 最後の最後に何かを起こす描き方はずっと追っていた時から変わらずで、懐かしく読んだ。丁寧に描写していくのに「いやそうじゃない」と逐一自己分析しようとする僕は、読み慣れていて安心感さえあった。題材としてはとてもシンドいが、この物語が言いたい事はそこではなかったのでそこまで深みにハマらずに主人公の隣で物語を読み進めることができる。他の方の感想にもあったように、ラストの語ったところが、西尾作品を読んだ人には一番刺さると思う笑。こういう、スターシステムじゃないが、知ってると分かる(知らなくても大丈夫)という仕込みは楽しい。『隔絶された島で育てられた感情のない大男と恨みや怒りでその身を焼かれた感情まみれの小娘の物語』が大好きです。 道を外れてもそこそこ面白く生きていくことはできる、というメッセージ、すごく良かった。
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半分位読み進めても、あれ?お話まだ始まってないのでは?このままこんな感じで最後まで行っちゃうのかなー?と不安になったが、一応後半は終わりに向けて話が進んで、読み手としては安心した。 何はともあれ状況説明だけでこんなに読ませる技量は流石。話としてはさほど好きなタイプじゃなかったけど...
半分位読み進めても、あれ?お話まだ始まってないのでは?このままこんな感じで最後まで行っちゃうのかなー?と不安になったが、一応後半は終わりに向けて話が進んで、読み手としては安心した。 何はともあれ状況説明だけでこんなに読ませる技量は流石。話としてはさほど好きなタイプじゃなかったけど、それなりに楽しめた。 著作を語る場面が楽しかった。
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少し戯れ言シリーズを思い出す書き方だったが最後の今までの作品について書いてるシーンがしっくりきて面白かった。
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狙ってやっていることとはいえ、結末まではひたすら冗長で退屈(また結末以降の蛇足は反対にドラマチックで甘ったる過ぎる)だけれど、結末部分はとても良い。著者自身が、本書に至るまでに書いてきた小説群を「一般的ではない人間が、一般的ではないままに、幸せになる話」「恵まれない人間が恵まれないままで、それでも生きていける話」として再定義し、それで以て誰かを救おうとする台詞には、ぐっと来させられた。
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小学生に監禁されたい! という欲望が溢れ出ている作品 僕ならそんなことになったらきっと手練手管を駆使して失敗して 少女に殺されるだろう。 これはそんな手練手管を駆使した末にどうなったのか口にできない有様を迎える 作家の卵の話です。
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買ってからずっと本棚の肥やしになっていましたが、ようやく読了。『物語』シリーズなどで有名な西尾維新さんですが、読むのはこれが初めてです。 不思議な少女と特殊な状況で出会い監禁される大学生の話。「不思議な」というのは語弊がありますね。「不自然な」という方が描写としては正しいでしょ...
買ってからずっと本棚の肥やしになっていましたが、ようやく読了。『物語』シリーズなどで有名な西尾維新さんですが、読むのはこれが初めてです。 不思議な少女と特殊な状況で出会い監禁される大学生の話。「不思議な」というのは語弊がありますね。「不自然な」という方が描写としては正しいでしょうか。 この二人は非常に似ていますね。そして語り口が30歳になった”僕”が10年前のトラウマを思い出しながら書いているというスタイルなものですから若さというものも考えさせられます。 肝心の話はこの本の場合すべてをスポイルしてしまうことになるのでここで書くのはためらわれます。素直な感想としては前半で脱落しそうになりました・・・回りくどい言い回しと”僕”に対するイライラ。 後半になっていくにつれて少女の謎を追って読み勧める意欲が湧いてきましたが、大学生という若さを見せつけられる描写で当時の自分を思い出してしまい苦しいですね。 当時の僕が少女に対して未熟を感じるように今の私の年齢からすると大学生は未熟でなくても不十分なんですよね。そしてさらに年を得た自分からみると今の自分も未熟で不十分なんでしょう。 その不十分さをその時は理解できていない。現実世界でもそうです。この少女と似た境遇の少年少女は世に溢れているのかもしれません。でも社会は子どもが嫌いです。子どもは社会で育てるなんて今や綺麗事の中でしかありえません。 NIMBYでしたか。必要性は認めるが私(たち)の居住する地域以外でやってくれと。今の世の中はこういった考えに支配されています。自分たちの権利を主張することを覚えた日本人は、バランス感覚を失っています。 このバランス感覚こそが今の世の中に足りないものではないでしょうか。様々な問題のなかに潜む根本的な問題を解決しなくてはならず、対処療法のみでは限界があります。 後半は本の内容とはまったく関係なくなってしまいった感が強いですが・・・これで感想とさせていただきたい。
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お恥ずかしながら西尾維新は初読。もっとこのタイプの書き手にありがちな言葉遊びマシマシのエキセントリック文体を予想して身構えていたが全然そんなことはなく、むしろ文そのものは読みやすい部類だった。個人的には入間人間とか奈須きのこの方が癖は強く感じたかな…ただこの一作しか読めていないので他のシリーズではどうなのかまだ分からない。シリーズ物は苦手だけど教養としてクビキリサイクルぐらいは履修したいところ。で、肝心の内容については普通に楽しめました。クライマックス(と、呼べるのかどうかは微妙だけど)での主人公の独白が、西尾作品全体に通ったテーマであり西尾維新の祈りなのかなぁと思ったり。それもただ話の演出上の計算なのかもしれないけど、私はそうだといいなぁと感じた。ラストはたしかに御都合主義的なところはあったかもしれないけど、むしろ今までの型破りすぎる展開のことを考えればこれで良かったような気もする。なんだかんだ言って、ハッピーエンドが一番安心する結末だから。 『道を外れた奴らでも、間違ってしまい、社会から脱落してしまった奴らでも、ちゃんと、いや、ちゃんとではないかもしれないけれど、そこそこ楽しく、面白おかしく生きていくことはできる。』
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