救命 の商品レビュー
ところどころ、あまりにも主観的過ぎると思いながら、思わずそうならざるを得ないほど深い悲しみや絶望やそういったものをひしひしと感じた
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東日本大震災で自らも被災者でありながら医師として活動した医師たち、応援に駆け付けた医師たち、それぞれの聞き語り。 診察する患者とつらい体験を共有することで自らも癒されたという医師。 検視・身元確認のためにデンタルチャートを黙々と作成する歯科医師。 これらの記録、読んでよかった。
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僕は医者という職業にはあまりよくない偏見を持っています。しかしこの本を読むと、「持っていました」に改めねばならないかと感じました。ごめんなさい。その場で、やれることをやるということだと言ってしまえばそれまでですが、そんなに簡単に言えない。 監修の海堂尊さんが、自分の家の「瓦礫」を...
僕は医者という職業にはあまりよくない偏見を持っています。しかしこの本を読むと、「持っていました」に改めねばならないかと感じました。ごめんなさい。その場で、やれることをやるということだと言ってしまえばそれまでですが、そんなに簡単に言えない。 監修の海堂尊さんが、自分の家の「瓦礫」を、人は決して「瓦礫」と呼ばない、と語っていました。その呼び方が出来るか出来ないかの立場に、天が線を引いてしまった。そして医療人は、その線を乗り越えられるのだと。 そして海堂尊はいつものようにAi導入(がうまく行かなかったこと)を語って幕を閉じます。Aiの導入が進まないことは、「人災」の発生と似たメカニズムなのかもしれません。
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震災にあった医師達の奮闘。 インタビュー的に色々話されている。 先生方は『被災者』でもある方ばかり。 それでも『人助け』の為に奔走する。 これが医師か。これが医療の根源か・・・。 9人の医師の、それぞれの話。 適切に、確実に根を張り費やした日々。 そしてそこにある実態。 多分、これだけの先生達じゃない。 もっと大変な思いをした先生達もいるはず。 lastに海堂氏は書かれてます。 『瓦礫じゃないんだよ』と。 そこには確かに生活を営む人がいた。 思い出も、家族もそこにいた。 普通の生活をしていた。息づいていた。 確かにそうだと反省。 Ai導入も拒否られてしまって、遺族は帰って来ない人を待つ。 それで良いのか。 もし、導入されていたらどれだけの人が遺族のもとに帰れたんだろう? 医師がもっと声を上げて良いような仕組みは作れないのだろうか? 霞ヶ関で悠々と『これは大変だ』とtvを見ながら言っている方々は現地をご覧になって、同じ場所で寝泊まりしたのだろうか? 官僚批判は勇気のいる事。 だけど事実はキチンと伝えなければ誤解や不安を招くだけだ。 義援金はどうした? 不眠不休の医師や看護師、クラーク(事務方)の代わりはどうなった? 考えさせる、一読の価値ある本。
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地震と津波が全てを奪い去った東北の各地で、懸命の医療活動を行った9名の医師たちの貴重な証言を記録したものです。どの医師の語った経験も壮絶そのもので、彼らが人間と医師の尊厳を失わなかった姿に打たれます。 この本は甚大な被害を及ぼした3・11の東日本大震災の時に、津波が全てものを...
地震と津波が全てを奪い去った東北の各地で、懸命の医療活動を行った9名の医師たちの貴重な証言を記録したものです。どの医師の語った経験も壮絶そのもので、彼らが人間と医師の尊厳を失わなかった姿に打たれます。 この本は甚大な被害を及ぼした3・11の東日本大震災の時に、津波が全てものを押し流したあとの現場で医療活動に当たった九人の医師の証言を基にしたものです。どの医師も壮絶な『命の修羅場』を語っており、感動よりもむしろ、こうまですさまじい意状況に身を置きながら、医師として、人間としての尊厳を失わずに粛々と自分のなすべきことをしていた、ということが書かれており、そこにはただただ頭の下がる思いでありました。 その中の一人は自分の中に『お前は医者じゃないのか!?』という声が聞こえ、自身の仕事に一区切りをし、東北大学で研究をしようという直前に遭った震災直後の現場で医療活動を行っていた、という話はとても自分の印象に残っています。次に、震災で心の傷を負ってしまった方に寄り添うような治療をしていた精神科医も最初は「ハイ」になって、しゃにむに医療活動をしていたそうですが、後にゆり戻しが来て何度も何度も喪失の悲しみで声のかれるまでおお泣きした、というエピソードも強く僕の心に残っております。 阪神・淡路大震災で学んだことのひとつとしてご年輩の方が震災で孤立したときに精神的な我慢の限界になって自ら命を絶ってしまったことや、孤立死をしてしまい、いかに東日本大震災のあとに孤独死や自殺を食い止めることが大きな課題であり、阪神・淡路大震災の教訓がいい意味で生かされたのだな、ということを感じました。まだまだ復旧のめどはたちませんが、ここに書かれているお話はなんともすばらしいものがありますので、ぜひとも風化してほしくはないと思っております。
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人間の生は、当人にとっては自分が死ねば世界も終了、全てがそこで終わるという絶対的なものであるのにも関わらず、人は偶然に生き偶然に死ぬ。人の死はありふれたものであり、死んだ人はこの世界に生きる数多の人々の中でそのほんの一片に過ぎない。しかしそのほんの一片の人の重みたるや比較のできな...
人間の生は、当人にとっては自分が死ねば世界も終了、全てがそこで終わるという絶対的なものであるのにも関わらず、人は偶然に生き偶然に死ぬ。人の死はありふれたものであり、死んだ人はこの世界に生きる数多の人々の中でそのほんの一片に過ぎない。しかしそのほんの一片の人の重みたるや比較のできない重さであり、その一片の人が及ぼす影響力の大きさもまた他と比較できないものである。人一人一人は儚いが、その儚い人がいかに偉大か、しみじみと考えさせられた。人の役に立つ。見返りを求めず奉仕をする。自発的に、何の我欲もなく。そういう事の出来る人、いや人は皆そういう事が出来るのだろうとは思うが、それを未曾有の非常時に愚直にこなしていく――人とは凄い存在だと思い知らされた本だった。
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未曾有の大震災に立ち向かった9人の医師。辛うじて命拾いをし、その怖さを率直に語る医師、情報統合の大切さ、役所の柔軟な対応を求める局面など、これから災害にどう備えたらよいか、重要なヒントが示されていると思う。官僚や地方自治体の人にぜひ読んでほしいと思いました。
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ページを捲るたび、泣けて泣けてしかたがない。 もう何も言葉がない。 まさしく「奮闘」で、ただただ、自分を顧みず必死に尽力された方々に、ひたすら頭が下がる。 どうか、自身が被災しながらも身を削り決死の思いでかけずり回られた医療従事者の方々が気付いた、災害時医療に必要なことすべてが...
ページを捲るたび、泣けて泣けてしかたがない。 もう何も言葉がない。 まさしく「奮闘」で、ただただ、自分を顧みず必死に尽力された方々に、ひたすら頭が下がる。 どうか、自身が被災しながらも身を削り決死の思いでかけずり回られた医療従事者の方々が気付いた、災害時医療に必要なことすべてが、これからの日本できちんと整えられていきますように。 いかに人間がちっぽけか、そして同時に、いかに人間が守るに足る素晴らしい生き物か、痛感させられた名著でした。
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東日本大震災で救命にあたった医師たちのインタビューをまとめた本です。自分も被災者でありながら、救命活動を行うその姿には、読みながら思わず涙がこぼれました。リアルの声が伝わる、本当に貴重な一冊だと思います。
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医療は大事だ! 号泣。ほんと泣いた。 大震災関係の本、写真集に続き、 初めて手に取ったけど、それぞれの医師の 冷静な行動、時に突き動かされるような行動、 医者って本当に素晴らしい仕事だと思いました。 募金するなら、日本医師会にしたいです。 日本の医療、考え直さなないと、と切に思う...
医療は大事だ! 号泣。ほんと泣いた。 大震災関係の本、写真集に続き、 初めて手に取ったけど、それぞれの医師の 冷静な行動、時に突き動かされるような行動、 医者って本当に素晴らしい仕事だと思いました。 募金するなら、日本医師会にしたいです。 日本の医療、考え直さなないと、と切に思うと 同時に、こういう医師がいる限り、まだ死んでないと、 きっと、良くなることを願います。
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