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私自身であろうとする衝動 の商品レビュー

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2013/02/03
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倉数茂『私自身であろうとする衝動 関東大震災から大戦前夜における芸術運動とコミュニティ』以文社、読了。有島武郎、柳宗悦、大杉栄、今和次郎……。彼らは何を目指したのか。本書は関東大震災前後の様々なムーブメントに注目する中で、規範を破りゆく「個人」の「生」の軌跡をスケッチする。 日本の芸術・学問・社会運動が一気に開花したのは大正時代。タイトルの「私自身であろうとする衝動」とは有島武郎の言葉。著者は彼らの「生の解放」の潮流を「美的アナキズム」と捉える。美的アナキストは、本能、欲望、衝動を絶対的に肯定し、あらゆる規範を拒否する。 但し破壊だけでなく国家を超えた連帯を夢みる。自己の解放と抑圧された人々の解放が「生の拡張」として一致すると捉えた。彼らの「美的」試みと挫折を「夢想」と退けるのは早計かと実感。捉え直しが必要か。了

Posted byブクログ