照柿(上) の商品レビュー
八王子で起きた強殺の捜査をすすめていた合田は、拝島駅で目撃した人身事故の混乱の中で美穂子という女と出会う。 東京駅では合田と子供時代を過ごした幼馴染・野田との再会が。 野田、美穂子、そして合田。 3人が出会い、再会し、つながっていく。真夏の太陽が、あかく溶ける夕日が、溶鉱炉の炎熱...
八王子で起きた強殺の捜査をすすめていた合田は、拝島駅で目撃した人身事故の混乱の中で美穂子という女と出会う。 東京駅では合田と子供時代を過ごした幼馴染・野田との再会が。 野田、美穂子、そして合田。 3人が出会い、再会し、つながっていく。真夏の太陽が、あかく溶ける夕日が、溶鉱炉の炎熱が、違和感を抱えながら、それでも人並の人生を送ってきた、否、そういう風に周囲も自分も騙ろうとした彼らのむなしい虚飾と精神を焼き切ってゆく――。 居場所もなく、しかし行くところもなく。今ある生活を諾々と生きる人間の営みとその崩壊を書くミステリ長編。
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頭の中で物事を整理しながら読んでいかないと混乱するため、ゆっくりとしたスピードで読んでいる。合田さんは相変わらず、かっこいい。そして、お蘭こと森さんがマークスの山の時に比べると頼もしくなってる気がする。合田さんの関西弁を見る度にニヤニヤ。事件の話はじわりじわりと外堀からいく感じな...
頭の中で物事を整理しながら読んでいかないと混乱するため、ゆっくりとしたスピードで読んでいる。合田さんは相変わらず、かっこいい。そして、お蘭こと森さんがマークスの山の時に比べると頼もしくなってる気がする。合田さんの関西弁を見る度にニヤニヤ。事件の話はじわりじわりと外堀からいく感じなので下巻の展開に期待。今回は男と女が濃厚に絡み合ってるという印象が非常に強い。
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上下巻読了。 ちょっぴりエロス。 飾り気のない文章で淡々と 生きざま、堕ちてゆくさまを描いています。 ぐっと入り込んでしまい 電車の駅、降りそこねました。
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※このレビューにはネタバレを含みます
さすがの描写力に圧倒。こんなに書き込んで、ちゃんと面白く進むのかと勉強になる。登場人物の心理もここまでくどくどと書くのでありなのか。ドストエフスキーは辛気くさくて読み切れなかったけど、彼女の本は読めた。問題は合田が恋に落ちるシーンが、私的にはたいした恋に思えなくて、その後の恋的行動にぴんとこなかったところ。ああ、恋だったのね、というのが後付けでわかったけど、それでは緊張感にかけてしまう。でも後半に向かって、主人公が全然寝ないまま、呆然と殺人に向かう表現は圧倒的。人殺しの心理ってこうなの、と納得しちゃうのだった。人を殺したことはないけど。 そしてあとから青いカラスのエピソードが出できて、とってつけたようかなと思うこともなきにしもあらずだが、ちゃんと納得できる。それまでのいきさつがあったから。でももっと早めに布石を打ってもよかったような気もする。最後は殺人者を第三者的視点で徹底して描き、終章は手紙で締めくくる、そのスタイルは気持ちよく収まる。 絵を描くことに関する描写もよいし、色の話はとても意図的に描写され続けていて、それも面白い。そういう要素が小説を作り上げているのね、と思う。
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実家にあったので再読。あぁ、俺はもう合田雄一郎より年上なのか‥ 消せない焦燥と破滅感を彩る照柿色。救いが無い。
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全体的に重い雰囲気を醸し出しており、作品にずぶずぶと、はまり込んでしまう。 警察小説では、主人公はカッコよく書かれているものが多い中で この小説では主人公がこんな事をしていいの!?と思う箇所が多々出てくる。 *** 主人公「合田警部補」と旧友「野田達夫」が一緒のシーンでは、...
全体的に重い雰囲気を醸し出しており、作品にずぶずぶと、はまり込んでしまう。 警察小説では、主人公はカッコよく書かれているものが多い中で この小説では主人公がこんな事をしていいの!?と思う箇所が多々出てくる。 *** 主人公「合田警部補」と旧友「野田達夫」が一緒のシーンでは、 主人公ではなく野田の視点で書かれているのが興味深い。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
単行本で読み損ねたので、文庫版化で初読。 ただただ、ひたすらに暗い。マークスでは、まだ癖者ぞろいの七係の各々の話があり、警察小説として読めるが、それでも暗かったが、本作はさらに暗く、ドロドロである。
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いわずと知れた合田雄一郎シリーズ。 最初は複数の事件が同時多発するので、 どういう筋の話なのかが、よくつかめなかった・・・ ただ、次第に合田と野田、佐野美保子の関係性が浮かび上がり、 合田と野田の感情が交錯していって・・・
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なんか硬すぎて?入ってきません 疲れちゃうのでもうやめます だから評価もしません きっとこの作家とは合わない・・・
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合田雄一郎シリーズ。「マークスの山」は非常に硬質な警察小説の趣だが、こちらはどろどろに熱いひとの情欲に塗れている感覚である。理解できないが、伝わるものがある。
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