無国籍 の商品レビュー
みんなとは違う、性格、嗜好、見た目だけでも人間社会では悩み苦しむことが多いというのに、もっと遥かに大きなトピックで人とは違う、自分だけ違う状態で生きてきた陳さん。stateless。 彼女のようにアカデミックに結果を残してきた方だからこそできる、無国籍者の苦しみや人生。なかなか...
みんなとは違う、性格、嗜好、見た目だけでも人間社会では悩み苦しむことが多いというのに、もっと遥かに大きなトピックで人とは違う、自分だけ違う状態で生きてきた陳さん。stateless。 彼女のようにアカデミックに結果を残してきた方だからこそできる、無国籍者の苦しみや人生。なかなか触れることのないトピックで、気になってしまいあっという間に手を休めることなく読み終えてしまった。 紙幣は突然価値を失い一文無しになることもあるかもしれない。でも、勉強だけは、培った知識だけはなくならない。だから、勉学に励みなさい。 激動の時代を生き抜いた両親だからこそ言える言葉。 逆境というのは、それを乗り越えるだけのポテンシャルを持った人のところにだけ現れるのだろうかとも思えるほど、陳さんの並々ならぬ努力にただただ感心するばかり。
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日本で生まれ、横浜中華街で育ち、日本で学び、海外に留学し、そんな世界を股にかけながら「無国籍」である筆者によるノンフィクション。 自分は日本生まれ日本育ちであり、日本人であることを「良かった」と思っているタチである。そのため筆者の体験してきたようなことに出会うこともなく今まで生...
日本で生まれ、横浜中華街で育ち、日本で学び、海外に留学し、そんな世界を股にかけながら「無国籍」である筆者によるノンフィクション。 自分は日本生まれ日本育ちであり、日本人であることを「良かった」と思っているタチである。そのため筆者の体験してきたようなことに出会うこともなく今まで生きてきた。 世界には、日本の中にはこのような人々が数多く存在するのだということを知り、そして理解するうえでは筆者の様々な思い、葛藤がこもった本書を読むのはとても勉強になったと思う。 出身や環境の異なる者同士の相互理解はかなり難しいだろうが、そもそもお互いのことを知っているのと知らないのとでは大きな違いがあるだろうから。
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国籍がもつ重みは常々感じていたが、無国籍とはなんと厳しい状態か。人権といえども国家がそれを保障することが基本となっている現代社会では、国家、国籍が大きな拠り所になる。本書は著者の経験をベースに無国籍とは何かを鋭く問いかける。また、国籍の問題を考えることで、何が人間にとって重要事か...
国籍がもつ重みは常々感じていたが、無国籍とはなんと厳しい状態か。人権といえども国家がそれを保障することが基本となっている現代社会では、国家、国籍が大きな拠り所になる。本書は著者の経験をベースに無国籍とは何かを鋭く問いかける。また、国籍の問題を考えることで、何が人間にとって重要事か考えさせてくれる。
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筆者は日本で生まれ、育った外国人。しかし、国際情勢のために、「無国籍者」として扱われることとなる。この本は、国籍をめぐって筆者が遭遇した出来事からアイデンティティの基本を掘り下げて考えた体験ノンフィクション。具体的に筆者が経験した事件を読み、追体験することで、読者も普通当たり前の...
筆者は日本で生まれ、育った外国人。しかし、国際情勢のために、「無国籍者」として扱われることとなる。この本は、国籍をめぐって筆者が遭遇した出来事からアイデンティティの基本を掘り下げて考えた体験ノンフィクション。具体的に筆者が経験した事件を読み、追体験することで、読者も普通当たり前のように考えている「国籍」について新たに考えることがあると思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
これは国際法や国籍法によって「無国籍」となり、人生を翻弄された女性研究者の伝記です。 読むと、たいへん理不尽な理由によって、差別を受け続けてきたことが分かります。 さらに恐ろしいことに、このような「無国籍」者が国や土地によっては、増え続けているとのこと。 そして、その数例については、日本が無関係ではないということです。 このような問題を早く解決できるよう、国連がリーダーシップを取って、各国との調整を進めることを願います。
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2004年に出版された本が新たに文庫化されたもの。著者は1971年横浜中華街生まれ。台湾から日本へ渡った両親は、1972年の日本と中華民国の断交にあたり、一家が中華民国国籍を放棄して無国籍となることを選んだ。 中華圏に興味があるため、日本に住んでいる華人の状況を本人が書いておられ...
2004年に出版された本が新たに文庫化されたもの。著者は1971年横浜中華街生まれ。台湾から日本へ渡った両親は、1972年の日本と中華民国の断交にあたり、一家が中華民国国籍を放棄して無国籍となることを選んだ。 中華圏に興味があるため、日本に住んでいる華人の状況を本人が書いておられるということで、非常に興味深く読みました。子供の頃は考えられなかったほど気軽に海外へ旅行している現在、国籍という「身分・保証」がなければこんなに不自由なのかと驚きました。生まれた国・育った国・親の国など、異なる国と国の狭間にいるからこそ、縁のある国同士が争ってほしくないと考え、どの国にも愛着を持つ…ただの旅好きな日本人の私にさえ、それに似た感覚はあります。著者の研究活動がさらに多くの人を助けられるよう、願っています。
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『無国籍』のかたが存在すること、存じあげませんでした。 申し訳ないです。 法の狭間で困っているかたがたが 自由になれる日を祈ります。 って ひとごととしか捉えられない自分ってどうなんだろう? もし いま 日本という国がなくなったら? うーむ。 あんま帰属意識は持ってないと思っ...
『無国籍』のかたが存在すること、存じあげませんでした。 申し訳ないです。 法の狭間で困っているかたがたが 自由になれる日を祈ります。 って ひとごととしか捉えられない自分ってどうなんだろう? もし いま 日本という国がなくなったら? うーむ。 あんま帰属意識は持ってないと思ってたけど うーむ。
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生まれながらに当たり前に与えられる国籍。 ほとんどの人は自ら選択するわけではないのに、いつのまにか帰属意識を持ち、国民として規定される。 あまりにも当たり前のものだと、それがないことの苦しさが分からない。 そして、そのような当たり前からもたらされる常識の不可思議さにも気付かない...
生まれながらに当たり前に与えられる国籍。 ほとんどの人は自ら選択するわけではないのに、いつのまにか帰属意識を持ち、国民として規定される。 あまりにも当たり前のものだと、それがないことの苦しさが分からない。 そして、そのような当たり前からもたらされる常識の不可思議さにも気付かない。 そのようなことを深く考えさせてくれるのは、これまで彼女が無国籍であることによって考えてきたことを、具体的なエピソードとともに、わかりやすく聞かせてくれるから。 そのような少数者の権利が守られるためには、まず、そのような少数者の存在が知られなければいけない。 そのために彼女がもつ責任感はすごい。 見習いたい。 最終的に、国籍などではなく、人と人とのミクロのつながりこそが大切なのではないか、という見解は、たしかにそこに真実があるような気がする。 でも、実際に困難に直面している人はそのことに気付きにくい。 ある程度、問題を克服できて、引いた目線からみることによって気付ける視点だとも思う。 だからこそ、こういった人々を困難から救い出すことことが必要。 楊 逸さんが著者の親戚というのは、すごい驚き!
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家族に日米ハーフが二人いるのでアイデンティティということについてはいつも考えさせられるので手に取った。国籍というのは、大勢の国民を守るための大義名分みたいなものだと思うが、大勢を守るために、どうしても助けが行き届かない一部の人間が出て来てしまう。全員が幸せになれる仕組みを人間が作...
家族に日米ハーフが二人いるのでアイデンティティということについてはいつも考えさせられるので手に取った。国籍というのは、大勢の国民を守るための大義名分みたいなものだと思うが、大勢を守るために、どうしても助けが行き届かない一部の人間が出て来てしまう。全員が幸せになれる仕組みを人間が作ることは難しいのだろうか。
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著者である陳さんの生き様と無国籍ということはどういうことなのか理解が深まった。著者のますますの活躍を期待すると同時に無国籍の方々の状況が改善されることを望みたい。
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