日本橋バビロン の商品レビュー
和菓子屋さんの話と思って購入しましたが、ほとんど和菓子は出てきませんでした。あくまでお店の話で。最後のあんこの話が壮絶で、悲劇なのに喜劇のような結末がとても印象に残っています。
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このところ、近代史に興味をもっています。特に東京都内の。郊外の、田んぼのあったところにいきなり巨大マンションが建った土地とは違い、東京23区には意外にも歴史の跡が見られる気がします。時間のあるときにぼちぼち回ってみようかな…という気持ちもあって。
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「東京少年」を読んだ時に書いたけど、小林信彦には芸能モノから入って、その感覚には大きな影響を与えられた。「オヨヨ」や「唐獅子」を経てここに来た。この本、9月に出てたのを知らなくて漸う手に取る。 かつて日本有数の盛り場だった日本橋に九代続いた老舗の和菓子屋に生まれた著者が、実家の盛...
「東京少年」を読んだ時に書いたけど、小林信彦には芸能モノから入って、その感覚には大きな影響を与えられた。「オヨヨ」や「唐獅子」を経てここに来た。この本、9月に出てたのを知らなくて漸う手に取る。 かつて日本有数の盛り場だった日本橋に九代続いた老舗の和菓子屋に生まれた著者が、実家の盛衰とそこに住む人々の歴史を自伝的小説として書き連ねる。 しかし、冒頭、いつの間にやら時空が江戸時代に飛んで、そこから両国の歴史が語られる、これがすごく読み難く、更に、大震災前後のお話も、誰が誰やら何が何だかサッパリ面白くなくて、敬愛する作家の筆なのだけど、付いて行けない私はゴメンなさい…。 昭和に入ってからのお話しはどうにかこうにか、豊かな商家の息子の穏やかな生活から、やがてやって来る太平洋戦争、敗戦とその後の困窮、親族との確執、廃業、父の死、等々、小説らしく読め出せたけど、作者が籠めた思いにまで至ったとは到底思えず。
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舞台は現在の東日本橋。9代続いた和菓子店の繁栄と没落が、江戸から明治、大正、昭和の町の情景の変化と共に語られる。寂しく、ほろ苦い「ある家族の歴史」。きっと戦後の日本は、こんな家族が多くいたのだろう。
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後半、戦後になって親戚関係で少しゴタゴタがあった時の筆致が『夢の砦』を思い起こさせ、ああ、小林信彦の小説を読んでいる、という気分に久々になった。ある種の怨恨をベースにした描写をする時、この作者の筆は精気を帯びる。
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都市とそこに暮らす家族の戦前からの変遷を描いた自伝的作品。「東京少年」よりさらに客観的視点を強めており、「なるほど当時はこうだったのか。」と、受け入れるしかない。著者の記憶力と表現力には改めて敬服させられる。
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