大阪大都市圏の再生 の商品レビュー

大阪自治体問題研究所【編】

2012/02/13

全体的なトーンとしては、橋下元府知事・現市長に対して、批判的な立場をとっているので、橋下ファンのかたにはオススメできません。とはいえ、大阪大都市圏の課題として指摘されている部分については、納得できる部分もあるので、トーンが気にならないかたはお読み頂いてもよいと思います。

特にしっかりとした指摘があったのは、第3章：橋下府政の経済活性化策と開発戦略、第4章：「大阪都」構想の財政問題、第5章：橋下改革と財政再建、第6章：大阪産業の動向と大阪市産業政策　などです。

地域経済政策・産業政策として、最後に地域にある資源を活用した「内発的発展論」を軸に推進すべきと提言していますが、大阪大都市圏の雇用を確保するためには、さすがに内発的発展論だけでは不十分だと思います。

その点で、グローバル化による海外とのハブ機能、西日本地域の中心としてのハブ機能等も踏まえた総合特区等の規制改革戦略が求められるのと同時に、失業率の高止まり、廃業率の高さ等を踏まえた雇用政策（ニーズに即応した職業訓練）や起業政策（チャレンジに対する目利き・マーケティング支援）等が必要になるものと考えます。