最速iPhoneアプリ制作術 の商品レビュー

高尾司【著】

2012/04/07

本書は題名の通り、iPhoneアプリの制作方法を解説した本です。
アプリ制作方法の解説と聞けばプログラミングなどの解説か？とお思いの方も多いかも知れません。
しかし、本書はこの種の専門知識が一切ない人でも自分でiPhoneアプリを作れるように手助けをしようと言う観点から書かれた本なので、以下の条件を満たしている人であれば十分理解できる内容です。

・HTMLやCSSなどの知識をある程度持っている
・テキストエディタが使える
・マッキントッシュの操作方法が分かる

下の2条件は特に難しいものではないでしょうが、一番最初の条件であるHTMLやCSSに関するある程度の知識。

私の場合、上記知識に関してほとんど知らないレベルと断言できるのですが、そんな私でも本書の内容は十分理解可能でしたので、これらに関して少しだけかじった事があるという方でも十分読みこなせるのではないかと想います。

と言うのは、本書で使用している技術はHTML5とjQuery Mobileの2つなのですが、
HTML5はHTMLの現時点（2012/4）での最新バージョンでjQuery Mobileの方はJavaScriptが簡単に使用できるようになる技術とそれぞれアプリ制作を簡単にするものであり、本書ではこれらを用いたiPhoneアプリの開発方法を3種類のひな形アプリ（写真集、電子書籍、音楽アルバム）の制作を通して、手取り足取り、それこそ開発環境の構築から完成したアプリのApp Storeへの登録方法まで分かりやすく解説しています。

また、当然本書にはアプリ制作で使用されているHTML5とjQuery Mobileの解説も載っているのですが、ただ単にアプリを制作してAppStoreに登録したいだけだと言うのであれば、ひな形アプリを編集して簡単に独自のアプリを制作する方法も解説されており、難しいことはとりあえず避けてまずはアプリを作ってみたいという方向けの内容も載っています。

"＃上記の場合、編集箇所は本文できちんと示されています。"

その反面、プログラミング手法の解説を期待していた方は内容に物足りなさを覚えるかも知れません。
しかし、巻末にはjQuery Mobileのタグ（iPhoneの画面に各種ボタンや文字入力欄を設置する方法）の情報がまとめられており、この部分は参考になるのではないでしょうか。

題名に最速と言う言葉がつくだけあって半日もあれば十分読みきれる内容ですが、全くプログラミング経験が無いと言う方向けの最初の一冊としては十分役に立つのではないかと想います。

"＃最も、アプリ開発言語に多用される「Objective-C」は一切使用していない為か、本書に記載された３種類のアプリが若干単純なものであった事は否めませんが・・・"

とは言え、iPhoneアプリ制作の雰囲気を掴みたければお勧めです。