黒ストッキングの未亡人叔母 の商品レビュー
1人ヒロインの安定した作風だが少しばかりの物足りなさも
作者の「黒本」2作目だが、基本的な構成は前作『僕だけの未亡人義母-こんな衣装を着せないで』と同じである。もっとも、1人ヒロインを旨とする鷹羽作品ならば、展開が多少似通ってしまうのは致し方ないところでもあろう。そして、多人数ヒロインの薄味な関係性とカラミに食傷気味で、本作が初見であ...
作者の「黒本」2作目だが、基本的な構成は前作『僕だけの未亡人義母-こんな衣装を着せないで』と同じである。もっとも、1人ヒロインを旨とする鷹羽作品ならば、展開が多少似通ってしまうのは致し方ないところでもあろう。そして、多人数ヒロインの薄味な関係性とカラミに食傷気味で、本作が初見であれば「こんな作品を待っていた!」と喝采を贈りたくもなるところだが、前作でその世界観を充分に堪能してしまい、その比較で言うならば、少しばかりの物足りなさを感じる内容とも言えそうである。 まず、ヒロインの叔母が29歳と熟女好みにはやや若く(これ自体は悪いことではない)、デキる女をイメージしたキャリアウーマン風にしては年上お姉さん的な妖艶さや優位性といったものが少し足りない気がした。とても良いキャラ設定ではあるのだが、少しばかり当初の予想とは異なる感じ。また、この叔母が困惑し、抵抗しつつも最後は受け入れていく過程が若干シンプル過ぎる気もする。もう少し憂い成分がほしい。独り善がりな我儘でありながら真っ直ぐな感情をぶつけ続ける主人公が前作を踏襲している分、ヒロインのちょっとした違いが作品全体の色を決めてしまうのかもしれない。これを是とするか非(とは言い過ぎにしてもイマイチ)とするかで本作の良し悪しも決まってしまうと思った。ついでに言えば、後半以降の、主人公へのメロメロ具合は逆に少しやり過ぎかな、と思わないでもなく。タイトル通りに黒ストッキングを纏ったタイトミニなスーツ姿を前面に出しているのに、そのクールなキャラとのギャップを描くところが僅かばかり裏目に出ているようにも思え、要するに、少し勿体ない扱いなのである。 情交描写については概ね良好である。今回もコスプレが炸裂している。「さすがにこれで終わりだろ」と思わせておきながら最後の最後にもう一発、素敵なシチュエーションを用意しているのも前作同様に素晴らしい。前作との比較で少し辛口とはなったが、全体としては好みでもあるし平均以上の内容と言える。
DSK
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