ロボットが日本を救う の商品レビュー
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序章から第二章まで日本のロボット讃歌で、第三章と第4章で海外との市場競争について書かれています。 前半は読んでてイライラするくらいに胡散臭い褒め殺しで、途中で読むのを止めようかとも思いました。それでも読み切ろうと頑張っているいると、後半が著者の専門分野らしく怒濤の固有単語の嵐。素人の私は置いてきぼりをくらってしまいました。 内容もそうですが、一冊の本としての出来があまり良くない。なんだか気持ち悪い本でした。
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ロボットに関する欧米と日本の考え方の違いー 献上物と大衆文化の中の娯楽や本田がバチカンに二足歩行ロボットの開発のお伺いを立てにいったこと等 −興味深い違いが分かり、おもしろかった。 が現在欧米でのロボットの開発は軍事用途の比重が高く、それなりの資金や人材で開発が進んでいる。ファク...
ロボットに関する欧米と日本の考え方の違いー 献上物と大衆文化の中の娯楽や本田がバチカンに二足歩行ロボットの開発のお伺いを立てにいったこと等 −興味深い違いが分かり、おもしろかった。 が現在欧米でのロボットの開発は軍事用途の比重が高く、それなりの資金や人材で開発が進んでいる。ファクトリーオートメーションでシェアが高くロボット大国として自任している日本ではあるが、欧米のように国家予算を使ったものにはもう少し本気で対応しなければいずれ追い抜かれることとなる。ソフト、ハード両方のバランスが重要ではあるが、米国ではソフト(頭脳)を重視しており、ハード(筋肉、神経)はさほど重視していない様子が分かり、米国が強い産業と、日本の強い産業を比べた中で同様の兆候があることに納得がいった。
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「アシモ」などの個別のロボットの話も非常に面白いけど、それ以上に『国際標準』の話が興味深い。携帯電話のシェアが何故ここまで落ちたか、『国際標準』を視野に入れたモノづくりとは?などの話は、これからの日本にとってとても重要。(長江貴士) ▼『ジセダイ』140文字レビューより http://ji-sedai.jp/special/140review/20111026.html
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弓曳き童子は4本の矢を放つ。 1,2本目は見事に的を得、3本目は的をはずし、うなだれる。これが悲しい顔に見える。 そして、最後の一本は見事に的に適中し、それを見た観衆から、拍手喝采を浴びる。 ここには2つの興味をそそがれる。 1つは、機構的なこと。この精細な所作の中で、どのように...
弓曳き童子は4本の矢を放つ。 1,2本目は見事に的を得、3本目は的をはずし、うなだれる。これが悲しい顔に見える。 そして、最後の一本は見事に的に適中し、それを見た観衆から、拍手喝采を浴びる。 ここには2つの興味をそそがれる。 1つは、機構的なこと。この精細な所作の中で、どのようにして的を得、的をはずすのか。普通の人は、人形の中に細かい動きがあると考えるが、実は、答えは矢の中にあった。3本目の矢は的をはずすようにできているのだ。 もう一つは、なぜ的をはずす必要があるのかということ。 ここにロボットに対する日本人の心があらわれる。ロボットは単なる機械ではなく、人間らしくあるべきであり、それでこそ、観客は拍手喝采するのだ。 そこには、製作者のロボットへの愛があり、その先に、そのロボットを愛する観衆がいる。日本人がロボットを愛し、愛でる気持ちはすでに江戸時代には用意されている。 先日のアシモのニュースが世界に驚嘆されるのは、二足歩行を行うからではない。アシモがお茶汲みをするからである。単にお茶汲みをするのであれば、人型である必要も二足歩行する必要もない。日本人が求めているサービスは効率だけの世界ではないということの現われである。 それと同時に「不気味の谷」と呼ばれるロボット(アンドロイド)の造型が人に近づけば近づくほど立ちはだかる「不気味さ」の壁に挑戦する学者もいる。これもまた人との接点のなかで重要な要素である。アシモの場合は、「ロボット」らしい愛らしさがあれば、解決するのだが、その先に発生するであろう人とロボットの接点に挑戦する知性も日本にはある。 繊維から始まり、半導体、家電、自動車とフォロアーに追い上げを受けている日本の産業の最後の橋頭堡であるロボット産業を如何に育てるのか。ロボットが日本を救うというのは、寓話の世界ではなく、今、日本で起きている現実の世界である。心して読もう。
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ロボットに関してここ数年関心を抱いているので本書を手に取ったが、第一章から『日本人のDNA』という非科学的な言葉が出てきて萎えた。また、多くの研究者開発者にインタビューをしているものの、あくまで国内に限定されており、視座が悪い意味で固定されている。また欧米と日本のロボット開発に対...
ロボットに関してここ数年関心を抱いているので本書を手に取ったが、第一章から『日本人のDNA』という非科学的な言葉が出てきて萎えた。また、多くの研究者開発者にインタビューをしているものの、あくまで国内に限定されており、視座が悪い意味で固定されている。また欧米と日本のロボット開発に対するステレオタイプな見方から脱却できていない。 『鉄腕アトム』に関しても、実際にはロボットと人間の間には強い緊張関係がある作品にも関わらず児童向けアニメしか見たことがないかのような浅い解釈。 結論から言えば、きっとロボットは日本を救わないのだろうなあ、と言う気持ちを強くさせた。
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日本のロボット技術が優れていることは知られているが、からくり人形の大衆性にロボット文化のルーツがあると指摘。 世界の標準化から取り残されないためにも国家的戦略も必要。
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