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ぴんぞろ の商品レビュー

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18件のお客様レビュー

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2017/02/12

浅草・酉の市でイカサマ賭博に巻き込まれた、脚本家の「おれ」。流され辿り着いたのは、地方のさびれた温泉街。「おれ」はなぜか、そこのヌード劇場で前説をする羽目に…。表題作ほか全2作品を収録。 2011年、作者2度目の芥川賞候補作。表題作は例によって「しょーもない」男とクセのある登場...

浅草・酉の市でイカサマ賭博に巻き込まれた、脚本家の「おれ」。流され辿り着いたのは、地方のさびれた温泉街。「おれ」はなぜか、そこのヌード劇場で前説をする羽目に…。表題作ほか全2作品を収録。 2011年、作者2度目の芥川賞候補作。表題作は例によって「しょーもない」男とクセのある登場人物たちの織り成す話。読みだすと止まらないのはおそらく文体のリズム感のせいなのだろう。 (B)

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2014/07/07

根拠なきポジティブ思考 「なんとかなるさ」のいきあたりばったり路線でも みんな幸せになれる ラヴ&ピースを信じてネ ……そんなお人よしが夢を見た時代もあったのだ 昔の話だ オウムの連中がそれを台無しにした、とは必ずしも言い切れまい もともと、世間はそんなに甘いもんじゃなか...

根拠なきポジティブ思考 「なんとかなるさ」のいきあたりばったり路線でも みんな幸せになれる ラヴ&ピースを信じてネ ……そんなお人よしが夢を見た時代もあったのだ 昔の話だ オウムの連中がそれを台無しにした、とは必ずしも言い切れまい もともと、世間はそんなに甘いもんじゃなかったんだ 筋肉少女帯の「サンフランシスコ10イヤーズアフター」の世界である リッちゃんというひとりの天才ダンサーが あのころの、世紀末アングラ芸能の空気感を 2011年に接続する そんなイメージ そんなことが可能なのだろうか? うーむ

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2013/12/23

流されるままサイコロは転がり続け結局は目が出ない。流れに身を任せ自然体に生きていく。まことに羨ましい生き方を再び追体験させてもらった。死さえも恐れることのない、とるに足らないことのようにさえ思える。無理矢理サイコロの目を出す必要はないのだ。

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2013/01/03

あくまでも受け身だ。 受け身で流されながら生きていく主人公の枠のない人生がよい。 作中に登場する人々のキャラクターが濃いのも良い。 舞台となる浅草や鬼怒川や熱海を思わせる温泉地のうらびれた街、ドロドロとした濃度の濃い街も良い。

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2012/09/08

ギャンブルのイカサマで死ぬとか、温泉街のストリップ嬢との交流とか、ずいぶん古典的というか古臭い話だなあと思ったら、最後にスカイツリーが出てきて、現代の設定だったという事がわかり、驚いた。「ぐらぐら一二」の方も裁断屋で指を落とすとか、時代設定がよくわからない。 2作読んだだけだが、...

ギャンブルのイカサマで死ぬとか、温泉街のストリップ嬢との交流とか、ずいぶん古典的というか古臭い話だなあと思ったら、最後にスカイツリーが出てきて、現代の設定だったという事がわかり、驚いた。「ぐらぐら一二」の方も裁断屋で指を落とすとか、時代設定がよくわからない。 2作読んだだけだが、どうやらこの著者の作風は、現代に生きる底辺の人々の優しさというか屈託のなさというか、良くも悪くも葛藤や屈折のない自然体を描きたいのだろうが、どうも劇団率いる中年男がイメージする世界と私の住む世界が違うのかリアリティーを感じない。読後感は悪くないものの、悪くないのがいい小説とも限らないし、今時こういう小説がウケルのか?という疑問はある。

Posted byブクログ

2012/07/09

最初は「なんだかなあ」という展開だったが、主人公が山奥へ行ってから断然面白くなった。お婆さんのキャラが「こんな婆さんいないだろう」と思いつつも、嘘くさくなくて良かった。 個人的には「ボブ~」のエピソードに笑えた。

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2012/07/07

芥川賞候補になった作品。東京下町に住む男がちんちろりんで完璧ないかさまな技を習得したからと飲み仲間に賭場に誘われる。やくざの営むとばであっさりといかさまはばれる。その直後飲み仲間は発作で死亡とどたばたが続く。そんなどたばたが飲み仲間の代わりに行く羽目になった寂れた温泉町でのストリ...

芥川賞候補になった作品。東京下町に住む男がちんちろりんで完璧ないかさまな技を習得したからと飲み仲間に賭場に誘われる。やくざの営むとばであっさりといかさまはばれる。その直後飲み仲間は発作で死亡とどたばたが続く。そんなどたばたが飲み仲間の代わりに行く羽目になった寂れた温泉町でのストリップの前口上だが、所詮しろうとうまくはいかない。そんな風にどんどん不思議な方向に流される人生を主人公は実は嫌がってはいない。この作者の次の作品が少しだけ気になる本だった。ぜったい読みたいというわけではないがなにかひっかかるものがあった。お勧めではないですが。

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2012/03/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

※表題作のみ読了。 イカサマをする際には切迫した瞬間瞬間が重なって、文章からは町を練り歩く感触。登場する人物はきちんと時間を纏っている。宴会場でのルリ婆さんの掛け合いも良かったけれど、後半で事故や火事などが矢継ぎ早に起こって、なんだかみんな終幕に向けて急いでいるように見えてしまったのが残念。

Posted byブクログ

2012/02/05

芥川賞候補とは知らずに読むが・・、好きだ。 チンチロリンから狂っていく人生。しかし、そのさびれた温泉街の生活が抜群。 雪の中の寒さの描写、見世物の舞台芸者でもどこかに威圧感のある母娘。物語後半は、完全にハードボイルドだなぁと思う。 ラストシーン。浅草の鳥居のところで、腕をくみあう...

芥川賞候補とは知らずに読むが・・、好きだ。 チンチロリンから狂っていく人生。しかし、そのさびれた温泉街の生活が抜群。 雪の中の寒さの描写、見世物の舞台芸者でもどこかに威圧感のある母娘。物語後半は、完全にハードボイルドだなぁと思う。 ラストシーン。浅草の鳥居のところで、腕をくみあう二人。 素晴らしい余韻のある物語。上手だな。

Posted byブクログ

2012/01/21

サラッと読み、再度、読み直してみた。地べたに這いつくばっても生きて行く。登場する人たちの思いが、これでもか、これでもかと訴えかけてくる。

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