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昭和鍼灸の歳月 経絡治療への道 の商品レビュー

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2010/05/01

鍼灸には様々な流派のようなものがありますが、その中でも、病因病証を基にした古典的な治療は、日本では昭和の初期に復興されました。この古典的な治療を再興するために、「古典へ還れ!」という合言葉を初めに使い、その旗振り役をしたのが、東洋鍼灸専門学校を創立した柳谷素霊です。その合言葉に呼...

鍼灸には様々な流派のようなものがありますが、その中でも、病因病証を基にした古典的な治療は、日本では昭和の初期に復興されました。この古典的な治療を再興するために、「古典へ還れ!」という合言葉を初めに使い、その旗振り役をしたのが、東洋鍼灸専門学校を創立した柳谷素霊です。その合言葉に呼応するかのごとく、そこには野武士のような真摯で無骨な鍼灸師の先生が集まりました。その名を挙げてみますと、井上恵理(いのうえ・けいり)、本間祥白(ほんま・しょうはく)、小野文恵(おの・ぶんけい)、岡部素道(おかべ・そどう)、丸山昌朗(まるやま・しょうろう)などなど・・・。残念なことに、時代の成り行きとともに、こういった先生の名前を聞くことが少なくなり、最近鍼灸学校を卒業した先生の中でも、こういった名前を知っている人は少なくなり、それとともに、経絡治療のあり方もまた変ってきているような気もします・・・。  話は元に戻りますが、現在、日本の鍼灸界では、古典的な治療をしようとしますと、経絡治療を学ぶことが主流となっています。この経絡治療が、どのような経緯をもってはじまり、そして発展してきたのか。また、現在の日本の鍼灸界そのものが、どのような過程を経てきたのか、そういったことがこの『昭和鍼灸の歳月-経絡治療への道』書かれています。昭和初期の草創期のメンバーのお話や、その後の変遷について詳しく書いています。著者自身も鍼灸師で、経絡治療をしていた方です(すでに故人)ので、そのため内容が細かく、それぞれの人物も鮮明に浮き彫りになっています。経絡治療の息吹を感じるという意味では、とても面白い内容になっています。治療に直接関係する内容ではありませんが、一度目を通しておくと、自分の寄って立つ立ち位置が見えてくるかもしれません。

Posted byブクログ