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2014/07/26

再読です。 学生の頃に古本で購入した、三一書房のハードカバー、上中下の上です。 言うまでもなく、もうだいぶ古い本なので世間の評価もある程度固まったものがあるのかもしれませんが、よく知りません(^_^;) ですが、この小説は、多くの人に今こそ読んで欲しい、戦争文学の傑作です。 まず...

再読です。 学生の頃に古本で購入した、三一書房のハードカバー、上中下の上です。 言うまでもなく、もうだいぶ古い本なので世間の評価もある程度固まったものがあるのかもしれませんが、よく知りません(^_^;) ですが、この小説は、多くの人に今こそ読んで欲しい、戦争文学の傑作です。 まずそのボリュームに圧倒されますし、文体も使われている漢字も少し古いですが、大衆文学として意識して読みやすく書かれていて、物語に引き込まれます。 日中戦争時の満州を舞台に、時代に翻弄されながらも、一人の人間として生きようと必死にあがく主人公、梶。社会状況から戦争の現実まで余すことなく描かれています。 上巻は鉱山編。満人工人の労務管理を任された梶は、劣悪な労働環境の改善が生産効率を上げることになるとの方針をかかげ、中間搾取の既得権益を持つ他の日本人労務者と事あるごとに対立します。 そこに新たに関東軍から中国人捕虜が送り込まれ、その管理も任されることに… というような話しです。 中国人捕虜のリーダー、王の言葉の重いこと重いこと。読んでいて、押しつぶされそうです。

Posted byブクログ