TOKYO BLACKOUT の商品レビュー
臨場感があって一気に読める小説。電力会社社員の働きは特に手に汗を握るものでした。ただ、他の感想にもあるように、終わり方と動機は納得いかなかったので残念。
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発売されたときから気になっていて買って読もうかなと思っていたけど、当時はハードカバーだったし文庫本になるのを待っていました。東京を襲う未曽有の大停電!発売された時にはその設定に興味がありましたが、3.11を経て読んでみると驚くほどの話でさすがに取材力が素晴らしいというところだろう...
発売されたときから気になっていて買って読もうかなと思っていたけど、当時はハードカバーだったし文庫本になるのを待っていました。東京を襲う未曽有の大停電!発売された時にはその設定に興味がありましたが、3.11を経て読んでみると驚くほどの話でさすがに取材力が素晴らしいというところだろうか。 東北地方を襲った地震の影響で東北からの電力補充ができないところに、送電線のある鉄塔を爆破するテロで東京の電力はひっ迫した状態になってしまいます。輪番停電(震災後本当にあったのですから小説の話と笑っていられない)で対応しようとしたけど、その対応システムに問題があり、東京全体(東京電力管轄の関東一円)が停電に陥るという最悪のケースが発生。 500ページ近くの大作ですが一気に読ませてくれるあたりはさすがですね。でも、東京を停電させる犯人に対して十分な描写がない(と言うか意識して書いていないのかと思えるほど)ために、「この理由でこの犯罪」と言う疑問は激しくありすぎるほど。ありえないことではないにしても、終盤に刑事が犯人に対して「そのままにしてやりたい」と抱いた感情を読者が感じられないのはすごく残念(映像的には感じることができたのですが)。それすらもあまりにギャップがあると、その理解できない深層心理に想像が行くのですが。 多くの魅力的な登場人物がいますが、いずれも人物の際立たせがないのは少し残念でもありますが、そのあたりも、いつも当たり前にある日常を支える普通の人たちって言うのが、この作品のテーマにもあるからかもしれないなあ。でも、緊迫した内容で楽しめました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
テロにより東京が停電に見舞われるという話。 2008年の作品だけどまるで少し前の状態を下書きにしているかのような構成で、前提として東北は震災のせいで原発が止まっている、となっているところはまるで予言のようでドキリとした。 物語の構成は最初はばらばらだったピースが話が進むにつれて一つになっていくという私が好きなパターン。 創元推理文庫発行なので「推理か…」とちょっと不安に思っていたけど(こうゆうのにサスペンス的要素を入れるとしょぼくなってしまうパターンが多いので)謎解き要素はなく、むしろ人間ドラマであった。 良いところ ・普段気に留めない電気と社会の関わりが見えた。 ・安西の悲しみと孤独 ダメなところ ・安西の計画に外国人の彼らが意気投合した経緯が欲しい。 ・拘置所の食中毒から搬送のところはちょっと都合よすぎ…。
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