続・伊藤比呂美詩集 の商品レビュー
海外に行く。ひとりで。あてどもなく。 日本語は通じません。わたしの口からこぼれ出る日本語たちは、無意味な残骸となって落ちてゆきます。 そして途端に日本語はその意味を失う。言語は解する人間がいなければ意味を持たないのだという事実に改めて気づく。 英語は話せますか、はい話せます...
海外に行く。ひとりで。あてどもなく。 日本語は通じません。わたしの口からこぼれ出る日本語たちは、無意味な残骸となって落ちてゆきます。 そして途端に日本語はその意味を失う。言語は解する人間がいなければ意味を持たないのだという事実に改めて気づく。 英語は話せますか、はい話せます。 スペイン語は話せますか、少しだけ。 フランス語は話せますか、話したいけど話せません。 ドイツ語は?イタリア語は?ペルシャ語は?中国語は? 話したい。話せない。 伝えたい。伝わらない。 言葉など使う人間がいなければ、忽ち死にぬくもの。 そんな脆弱なものを使ってコミュニケーションを営むわたしたち。 感情の赴くままひたすらに垂れ流される伊藤 比呂美の言葉。 ―意味を剥がす 音が残る それでもわたしたちは意味をさぐる(意味の虐待)
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