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わたしの生活手帖 の商品レビュー

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2021/01/20
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※このレビューにはネタバレを含みます

昭和のオジサンの魂のボヤキ。 読書は自分の中からいかに引き出せるかという営み、とは藤原和弘だが、エッセイはなかなか引き出しにくい。 令和の時代に読むと時代錯誤的でアレルギーを起こす人もいるだろうが、時代考証的に読むと面白い。 いつの時代も、変わらないことはあるのだろう。 六畳一間にテレビ2台、夫婦がイヤホンして別々の番組を見ているというのが1969年のエッセイ。50年経った2021年も、スマホで別々のコンテンツを楽しむ夫婦。何も変わらない。

Posted byブクログ

2013/04/03

山口瞳の単行本未収録エッセイ集。1963年以降、新聞、雑誌に単発で書いたものをまとめている。相変わらずの山口節。エラソーに言い切る文体がいいなぁ。いまだにこういう人はいない。 『女というのは劣等感のかたまりではないか。心と体のなかに悪いものをもっていて、自分でそのことを承知し...

山口瞳の単行本未収録エッセイ集。1963年以降、新聞、雑誌に単発で書いたものをまとめている。相変わらずの山口節。エラソーに言い切る文体がいいなぁ。いまだにこういう人はいない。 『女というのは劣等感のかたまりではないか。心と体のなかに悪いものをもっていて、自分でそのことを承知しているがどうにもならないという存在ではあるまいか。劣等感がうまく作用すると、一種の善良性となってあらわれる。従って、かどうか知らないが、ヤサシクサレルことに弱いのだそうだ。』 『 理屈でもってちゃんと対決できるような相手と一緒に暮らすのと、理屈なんかまるっきり通じない相手と暮らしているという現状とどちらがいいのだろうか。どっちでも困るように思う。これは女と男がひとつの家で暮らすというときの業のようなものだろう。』 『浮浪者やバタヤで犬を飼っているのがいる。 「どうして彼等が犬を飼っているのだと思いますか。」 バタヤのなかにはいって二十年も暮らしているMさんがいった。 「いばれるからですよ。彼等には犬よりほかにいばれるものがないんですよ。あれは主従関係でね。そうでなかったら、最低生活者が犬の食事の世話までしてやれますかね。バタヤが動物を飼っているのを見て、貧乏人ほど愛情がこまやかなんていう人がいるが、とんでもない大間違いです。』 『可愛い犬は、可愛い。しかし、それにしても不憫である。不憫がさきにたつ。かわいそうなのは人間だけでたくさんだ。』

Posted byブクログ

2011/12/09

山口瞳の未収録エッセイ集。 昭和の香りがプンプンする。 60年代、70年代のエッセイが大半なのだが 山口瞳節が、こころにささる。 この痛気持良さが絶妙だと思います。

Posted byブクログ