大震災 復興へのみちすじ の商品レビュー
これも職場の図書館の新刊棚から借りてきた。 悪くはないが、社会党左派、共産党的なものの言い方が気になる。 大震災に対する復興について、本来イデオロギーは関係なくて、被災者の生活と生業をいかに再生するかの一点に絞ってコンセンサスを追求すべきと思う。 ①大企業の内部...
これも職場の図書館の新刊棚から借りてきた。 悪くはないが、社会党左派、共産党的なものの言い方が気になる。 大震災に対する復興について、本来イデオロギーは関係なくて、被災者の生活と生業をいかに再生するかの一点に絞ってコンセンサスを追求すべきと思う。 ①大企業の内部留保を復興財源にあてる。(p137) 今、激しい国際競争の中で、日本の企業のうち労働集約的な製造部門が海外にどんどん進出しようとしているときに、大企業の内部留保をあれこれいっても始まらない。現在の法人税率でも、フィリピンやシンガポールに本社機能を移している企業はたくさんある。 私の高校の同級生も今は半分はフィリピンで生活している。 ②政策の第一義は「復旧」でなければならない。(p130) 津波のような大災害をうけた被災者に、これまでのままの生活、居住でいいと言い切るセンスが理解できない。 結果として、海の近くにすもうとする被災者がいるにしても、少しでも安全になるように方策を講じるのが政府の役目だろう。 ③原発の立地が交付金だのみの自治体財政をうみ、減価償却による固定資産税の減収が新たな原発立地を生む。(p124) これも、電力会社や政府を一方的な悪者にするのではなく、それによって地元が潤い、雇用も生まれたという事実を直視すべき。電力会社や政府が自治体に嘘をついたわけではない。 そういう原発被災自治体及び住民が、複雑な感情の下にいることをきちんと理解することが大事だと思う。 いずれにしても、まじめな復興本が目にとまらなくなってきた。これから本格的な復興に入り、都市計画の専門家の出番だし、情報提供も必要になるので、是非、都市計画の専門家の情報発信を期待したい。
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