1,800円以上の注文で送料無料

どのような教育が「よい」教育か の商品レビュー

3.8

15件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    9

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2021/06/05

何度も読み返したい本。哲学的背景も交えながら、教育の理論と実践の両輪について考えることができて、とても学びの多い本だった。 何を”よい”教育とするかは、すごくチャレンジングな問いだと思う。それに対して、さまざまな考え方を提示しながら、現象学的アプローチから向き合おうとする筆者の...

何度も読み返したい本。哲学的背景も交えながら、教育の理論と実践の両輪について考えることができて、とても学びの多い本だった。 何を”よい”教育とするかは、すごくチャレンジングな問いだと思う。それに対して、さまざまな考え方を提示しながら、現象学的アプローチから向き合おうとする筆者の姿勢もまた参考にできる点が多かった。 苫野先生が説く「自由の相互承認」のあり方がどのように社会のなかで実現されるのか。言い換えれば人間としての愛のようなものなのだろうけど、まずは人と自分、人と人を比べないこと、先入観でジャッジしないことが大事なのかなと感じた。

Posted byブクログ

2020/02/15

どんな問いには正解がなく(正解をめぐって議論しても意味がなく)、どんな問いなら答えうるかという視点で話がすすんでいくので、すっきりした。自分の体験を一般化してしまうことなく、また相対主義で止まってしまうのでもなく、教育についての話を前にどう進めるか、というのはとても興味深かった。...

どんな問いには正解がなく(正解をめぐって議論しても意味がなく)、どんな問いなら答えうるかという視点で話がすすんでいくので、すっきりした。自分の体験を一般化してしまうことなく、また相対主義で止まってしまうのでもなく、教育についての話を前にどう進めるか、というのはとても興味深かった。結論として、よい教育とは、社会における「自由の相互承認」を、より実質化できる教育であるとのこと。 個々人の自由、そしてそのための「自由の相互承認」を最終目標にするという視点は確かに反論のしようがない気がする。(個人的な感覚としてはとても賛成) 専門家たちの間ではこのあとどう議論が進んだんだろうということも気になった。

Posted byブクログ

2019/12/30

「教育の力」を読み、著者の苫野先生に興味を持って読んだ本。 教育とは何か 私たちはどのような生を欲するか 「よい」社会とは 「よい」教育とは 丁寧に、歴史から、人間の欲望から解き明かしていきます。  読むには時間と体力が必要ですが、濃密な時間を過ごすことができると思います。

Posted byブクログ

2017/06/10

【図書館本】自由の相互承認、それを支える教養。やっぱ、平等より自由だよなということ。平等に焦点あてると、貧困問題になって、意見対立生まれるから。

Posted byブクログ

2014/12/10

現象学的視点でよい教育について論じる。相対主義のpitfallに落ちないために,相互に自由に生きていくことを了解する社会の一般意志と一般福祉の実現を規範として捉える。前半は主張の学術的根拠について,後半はよい教育,よい教師についての具体的な考え。より実践的なことについては続編の「...

現象学的視点でよい教育について論じる。相対主義のpitfallに落ちないために,相互に自由に生きていくことを了解する社会の一般意志と一般福祉の実現を規範として捉える。前半は主張の学術的根拠について,後半はよい教育,よい教師についての具体的な考え。より実践的なことについては続編の「教育の力」に続く。

Posted byブクログ

2013/10/10

人は自由のために生きる。 でもその自由とは何でも好き勝手にすることではない。 そういった行いはむしろ自分を苦しめる。 自由とは制約がある中で自分がやりたいことを やりたいようにいきていると感じることである。 自由のためには教養と知識が必要。 生きるための教養とは学習とルール感覚で...

人は自由のために生きる。 でもその自由とは何でも好き勝手にすることではない。 そういった行いはむしろ自分を苦しめる。 自由とは制約がある中で自分がやりたいことを やりたいようにいきていると感じることである。 自由のためには教養と知識が必要。 生きるための教養とは学習とルール感覚である。 子どもはそういうことで自由な存在ではない。 自由を得られるための教育が良い教育である。 なるひど。 いちいち哲学者っぽい固い言い回しがきになるがそれを除けば的を得たすっきり感がある。

Posted byブクログ

2013/08/15

教育哲学の本だが、教育哲学自身が政治哲学にその理論的枠組みを多く借りていることもあって、序論から著者が拘る方法論については十分に納得がいき、また今後の思考の参考にしたいと考えた。

Posted byブクログ

2013/08/05

教育哲学の観点から、よい教育とは何かを、いろいろな哲学者や社会思想を引用しながら、教育問題が迷走する根本の原因と、2つの大きな思想の中でのバランスを追い求める教育についてまとめている。 基礎的な哲学の人物や考えはある程度理解して読まないと理解しづらいと思った。また、1章を経験主...

教育哲学の観点から、よい教育とは何かを、いろいろな哲学者や社会思想を引用しながら、教育問題が迷走する根本の原因と、2つの大きな思想の中でのバランスを追い求める教育についてまとめている。 基礎的な哲学の人物や考えはある程度理解して読まないと理解しづらいと思った。また、1章を経験主義からくる規範と事実誤認のイメージから根本の問題にたどりつけないことをまとめているが、読者層はある程度の知識を持った人を想定しているのか、それとも現場の人間に近い人を想定しているのかわかりづらかった。理想論と現実論が重なり合っていたように感じた。 ただこのような類書は少ないので、いろいろな意味で教育問題をまとめ、方向性を確認するという意味では良い本だと思う。

Posted byブクログ

2013/06/01

教育という問題に関する独断論と懐疑論に対して、 それらとは違った方法で何らかの答えをだしうるはずではないか、という感度をもつ、 若手哲学者の1冊目。 これは竹田哲学の方法でもあるが、 現象学の「なぜそう感じたのか」という問い方と、 ヘーゲルの「自由ということを互いに認め合う」と...

教育という問題に関する独断論と懐疑論に対して、 それらとは違った方法で何らかの答えをだしうるはずではないか、という感度をもつ、 若手哲学者の1冊目。 これは竹田哲学の方法でもあるが、 現象学の「なぜそう感じたのか」という問い方と、 ヘーゲルの「自由ということを互いに認め合う」という条件の下で、 教育という信念対立に陥りやすい領域においても、 一定の「よい」とい原理が導き出せるのではないか、と。 ただし、 まだまだ青い、という印章を受ける。 わかりやすい記述をしようとする意志と、 検証可能であることを目指そうとする態度から、 読みやすくはあるが。 それは、「机上の空論だよ、やはり」というような、 原理論に対して向けられる、「現実」という場所からの視線からもくるだろうし、 もう1つは、本質を掴んでいるがゆえに、 本質から語ってしまうところが、むしろネックになっているというところ。 それは、竹田さんも同じ。 それが何かやはり、演繹的に見えてしまうところがあるのかな、と。

Posted byブクログ

2012/11/15

つまみ読み。教育について考える機会にまたしっかり読んでみたい。 ★内容 哲学の立場から教育について考察。 教育とは何なのか、何をもって「よい」と言えるか、どうあるべきか、といった問いについてしっかりと書いてあります。 教育論入門編、という位置づけにあたる。現況の分析や手法に関し...

つまみ読み。教育について考える機会にまたしっかり読んでみたい。 ★内容 哲学の立場から教育について考察。 教育とは何なのか、何をもって「よい」と言えるか、どうあるべきか、といった問いについてしっかりと書いてあります。 教育論入門編、という位置づけにあたる。現況の分析や手法に関しては他の本にて。 ★学んだこと ・教育論に対しては「なぜそれがいいと言えるのか?」「教育の義務を果たしているか?」をしっかり考える。 主張の根拠を探ることに加え、教育の果たすべき役割を意識する。

Posted byブクログ