ろうそくの炎がささやく言葉 の商品レビュー
311の後に編まれた詩と物語の数々。大きな悲しみの前に言葉ができることは少ないかもしれないけれど、それでも言葉の持つ力を信じられる1冊。
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『コロンブスの犬』のあとがきに、この本のことが出てきて、『本は読めないものだから心配するな』と一緒にこの本も借りてきた。そして、同じように延長して、ゆるゆると、くりかえし読んでいた。声にだしても読んだ。 編者は管啓次郎と野崎歓で、ふたりは「あとがき」にこう記す。 ▼…言葉と...
『コロンブスの犬』のあとがきに、この本のことが出てきて、『本は読めないものだから心配するな』と一緒にこの本も借りてきた。そして、同じように延長して、ゆるゆると、くりかえし読んでいた。声にだしても読んだ。 編者は管啓次郎と野崎歓で、ふたりは「あとがき」にこう記す。 ▼…言葉とは、不在物についての行動の調整のためにヒトが編み出したものです。言葉はその場にないものを想像させ、遠い場所に心を飛ばします。語るべき言葉を失いつつ、やはり言葉によって、遠くの土地を思っているのでした。… 私たちには、言葉によって生かされている部分があることは確かなのです。(p.198) さまざまな人の、さまざまなことばのなかで、根本美作子さんの「哀しみの井戸」、哀しみは井戸を掘るという表現がこころにのこる。 ことばをよせた人たちのプロフィールやコメントもついていて、それを読みながら、「詩人」という大学教授がけっこういるんやなあと、そんなことも思った。
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