森の案内人 の商品レビュー
題名どおり、森を取り巻く人間や自然についての案内書である。 最初の章では、人間の生活と森のかかわりが扱われており、改めて「人間は自然の一員である」ことを認識させられる。 以下、第2章では「樹木」(アカマツ~リョウブの28種)から始まって、第3章では「生物」(アユ~ホンシュウ...
題名どおり、森を取り巻く人間や自然についての案内書である。 最初の章では、人間の生活と森のかかわりが扱われており、改めて「人間は自然の一員である」ことを認識させられる。 以下、第2章では「樹木」(アカマツ~リョウブの28種)から始まって、第3章では「生物」(アユ~ホンシュウジカの18種、魚、昆虫、鳥、獣)、第4章では「山の恵み」(アケビ~ムキタケの21種、山菜やキノコなど)に至るまで、森に生息する生物全般について多面的に詳述されている。生物学的な知見にとどまらず、古事記、日本書紀、万葉集、短歌、俳句などを参照し、歴史的・民俗学的な角度からも詳細な記述があり、日本人がいかに昔から森と深い関わりを持って生活してきたかを浮かび上がらせる。 著者は「森」の奥深くまで分け入って、森が尽きることのない面白さを秘めているということを案内してくれる。中身のギッシリ詰まった好著である。
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