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エネルギーのはなし の商品レビュー

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2011/09/17

7月頃から続いていた電力使用制限は、予期せぬ停電を一度も起こすことなく、1週間程度前倒しで解除になりました。 震災を経験した私たちは、原油が高騰した時以上に、エネルギーを大切に使う重要性を認識したと思います。 そのような環境において、図書館で見かけたこの本は、普段であれば通り...

7月頃から続いていた電力使用制限は、予期せぬ停電を一度も起こすことなく、1週間程度前倒しで解除になりました。 震災を経験した私たちは、原油が高騰した時以上に、エネルギーを大切に使う重要性を認識したと思います。 そのような環境において、図書館で見かけたこの本は、普段であれば通り過ぎてしまったかもしれませんが、思わず手に取ってしまいました。 以下は気になったポイントです。 ・サンダーバード1号が、地球上どこでも1時間以内というのは、地球を離脱しないためには最高速度を時速2万8500kmに抑える(実際には2万km程度)必要があり、地球の1周を4万キロとすると科学的に妥当(p5) ・環境省による2009年度の国内温室効果ガス排出量の速報値は、不景気などの影響により、1990年度比で4.1%となった、京都議定書で義務付けられた6%減まであと少し(p14) ・1Nの力とは、携帯電話程度(100グラム)にかかる重力加速度を考慮したもの、これに逆らって1m持ち上げる仕事を1J(ジュール)という、これを1秒でやれば、1W(p16) ・エンタルピーは、エネルギー量、エントロピーはエネルギーの質を表す重要な指標で、圧力と温度を測定することで求めることが可能(p31) ・二酸化炭素は排出量制限をうける物質であるので、燃料中のH/Cはできるかぎり大きい方が望ましい、最も大きな燃料(クリーンと言われる)は水素、小さいのは石炭である(p36) ・我が国では、二酸化炭素排出量を削減するために、石炭火力発電所を超臨界圧で運転したり、石炭ガス化コンバインド発電による高効率化をおこなっている、また石炭にバイオマス(木質ペレット)を混焼させる検討もしている(p47) ・ターボチャージャ付きディーゼル機関の、ピストンーシリンダ部分を連続燃焼器で置き換えたのがガスタービン(p52) ・太陽光発電をしている家庭や事業所が余った電気を、電力会社が以前より高価格で10年間買い取る制度(太陽光発電促進付加金)は、2011年4月から回収が始まっている(p75) ・従来の電力システムが「同時同容量」で一方的に電力を供給する「技術」システムであったのに対して、スマートグリッドは、電力や情報をやりとりし、柔軟な電力供給を行う「社会」システム(p94) ・スマートグリッドの役割は、1)出力変動の激しい自然エネルギーの受容を容易にする、2)見える化による、個人の省エネ行動を促進する、3)災害時などに速やかに電力を供給する、である(p95) ・通常の給湯器は水蒸気のまま排出されるが、潜熱回収型では、熱回収を徹底的に行うために、水蒸気は水になる、この時、水蒸気が水になる潜熱(気化熱)まで回収したことになるため、効率は100%を超える(p109) ・灯油を用いた石油ストーブでは、燃料よりも重い水蒸気が熱で放出されるが、天然ガスのガスストーブでは、燃料重量の2倍近い水蒸気が放出されるので部屋の失語維持ができる、エアコンは水蒸気の放出がないので部屋は乾くことになる(p110) 2011年9月17日作成

Posted byブクログ

2011/09/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 タイトルに『エネルギーのはなし』、サブタイトルに『-熱力学からスマートグリッドまで-』と大きく打って出ているので、入手してみたが、期待外れだった。  熱力学については、少ないページで簡単だとうたって記述しているが、わかりにくい。どうせやるなら、厳密に物理学としてやるか、数式がなくてもわかるような言葉で丁寧に簡潔に述べるかだろう。そのような書籍だったら、ほかにいくらでもあるのでそちらの参照をおすすめする。  スマートグリッドについても、わずかしかページを割いておらず、理解の足しにもならない。  東日本大震災後の8月の出版であるが、サンダーバードをはじめにもってきたり、よく趣旨のわからない本である。

Posted byブクログ