ダライ・ラマ こころの自伝 の商品レビュー
※C チベット問題で非暴力を貫いた、ダライ・ラマの人生の歴史本です。心の平和を保つ考え方が書かれています。
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決してぶれることのない不変の信念をもち、チベット問題の平和的解決を願うチベット民族の精神的支柱であるダライ・ラマ14世の精神的な自伝であり、世界に向けて発信されたメッセージ集でもあります。 以前、僕はダライ・ラマ14世(以下14世 敬称略)の自叙伝を読んで、筆者の人生に触れ、...
決してぶれることのない不変の信念をもち、チベット問題の平和的解決を願うチベット民族の精神的支柱であるダライ・ラマ14世の精神的な自伝であり、世界に向けて発信されたメッセージ集でもあります。 以前、僕はダライ・ラマ14世(以下14世 敬称略)の自叙伝を読んで、筆者の人生に触れ、14世が著されたこの本を読むきっかけに恵まれました。「こころの自伝」ということで精神的なものが多かったと思いますが、14世のたどってきた人生の壮絶さとここまで過酷な人生を歩みながらも、自愛の精神を持ち、チベット民族の精神的な支柱として、祈りの日々を送られている、ということに深い感銘を受けました。 やはり、14世が毛沢東をはじめとする世界の国家元首との面会についても14世の考えがうかがうことができるのですが、僕は中国がチベットに侵攻して、チベット文化のすべてを破壊しつくし、僧侶や女性をはじめとする多くのチベット民族をここで書くことを差し控えるようなすさまじい拷問をかけて虐殺し、14世をはじめとする生き残ったチベット民族はヒマラヤを越えてインドにまで亡命をしなければならなかったという箇所には何度読んでも目頭が熱くなったことを思い出します。 14世がインドで亡命政権を樹立した後でもチベット自治区では「同化政策」の名の下に根こそぎチベット民族の尊厳が奪い取られていくことについても 「私は悲しかった。ただ、悲しかった」 と深い悲しみを表明する14世に、深い感銘を受けました。14世の必死の訴えが国際世論を動かした、というにはまだまだ遠いのかもしれませんが、この自伝は、苦難の道のりを歩む一人の宗教者の記録でもあり、その気高い精神性によって「癒され」もする宗教書だと思っております。
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